2010年7月 1日 (木)

驚くべき世界が進化している(「粘膜蜥蜴」 飴村行)

ホラー小説大賞「粘膜人間」でデビューした飴村行さんの受賞後第一弾「粘膜蜥蜴」読みました。タイトルが似てますが内容は全く続編ではありません。デビュー作である前作はエログロ満載の不思議な小説でしたが、今回もその流れは汲んでいます。しかし物語としてのまとまりは格段とレベルが上がっている気がします。今回も部隊は第二次世界大戦中の日本の村。前回よりは少し都会の香りがする場所です。混沌とする世の中を反映するように、子供達の世界にも暗い影を落としています。爬虫類のような顔を持つ種族が下僕として普通に存在します。その存在が今回はキーとなっています。余りにも物語の中で爬虫類人間が存在するので面食らいますが、第二部の戦場のアジアの山奥で、その存在の説明がされます。そして全く関係の無かったはずの一部と二部の話が三部で交わり驚愕の真実を浮き彫りにします。最近ホラー小説で賞を受賞した新人の二作目以降があまりパッとしないものが多いのですが、この作品はパワーアップしています。このミスで入賞していたのも頷けます。この不思議な世界観でこれだけ説得力のある話を書き翳られる力は凄いと感じます。今後かなり期待させる作家さんです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年3月18日 (木)

このレベルでもベストセラー(「カッコウの卵は誰のもの」 東野圭吾)

もう説明するまでも無い今一番売れる東野圭吾氏の発売ホヤホヤの最新作「カッコウの卵は誰のもの」を読みました。これも最新作にも関わらずお客さんからお借りして読む事が出来ました。感謝。ガリレオブームから始まった東野旋風は未だに衰えをみせません!前作「新参者」がこのミス1位だった事からも、勢いの凄さを感じさせます。確かに「新参者」は普段辛口評価の私でも納得せざるを得ない良い味の出た小説でした。さてこの最新作ですが、一言で言うと「2時間ドラマ並みの小説」です。テンポもいいし、つかみもOK。犯人も何となく途中で分かるし、動機も軽め。謎だってそれほどでもない。あー何かマイナスポイントしか挙げてない?いやいや私が書くからそう感じるだけで、私がマイナスと挙げた点をプラスと感じる人も居ます(いやそう感じる人の方が間違いなく多い)。だからいいんですが、これじゃ余りにも稚拙過ぎます。私が読書をし出した頃なら非常に堪能出来たと思いますが、それなりの本好きが読むには物足りない所ではありません。現代の希薄な人間関係を文章にしたら、こういった小説になるんでしょうか?出てくる人物総てに血のめぐりを感じられませんでした。それは伊坂作品のクールさとは全く違う冷たさを感じました。世の中がもろ手あげて絶賛し大ベストセラーにもなってる状態。一人ぐらい辛口でも罰はあたらんでしょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年10月21日 (土)

お後が宜しいようで

子供の頃から観ているTV番組というのが何本かあります。「笑っていいとも」「徹子の部屋」「ミュージック・フェアー」などです。これらの番組は今も変る事も無く放送をし続けています。そんな長寿番組の一つに「笑点」があります。昨日の新聞に「笑点」に関する面白い記事が掲載されていました。タイトルは「木久蔵改め?」です。木久蔵さんとは林家木久蔵さんの事で、「笑点」の昔からの主要メンバーです。下らない駄洒落やギャグを持ち味としていて、時にオチをお客さんに先に言われてしまうという愛すべき存在です。「笑点」というのは実に考えられたメンバーの選出で、一人一人が全く違うキャラクターづけがされていて観ている者を飽きさせない工夫がされています。今回木久蔵さんの長男(きくお)さんが木久蔵を襲名する事になり、父である元木久蔵師匠は木久翁になる予定だったのですが、一般から公募した方が盛り上がるのでは(?)という芸人ならではのサービス精神で極めて異例ながら公募が決まったそうです。既に(きくお)氏からNGワードとして「ラーメン亭バカ馬」などが挙げられています。しかも選ばれた人の商品には「木久蔵ラーメン一年分」が送られるそうです(結構しょぼい)。皆さんこぞって応募しましょう!ちなみに私は「駄洒落亭いう蔵」が一押しです。木久蔵師匠は何と御歳69だそうです。愛すべき稀少な芸人さんですね。名前が代わっても楽しませてください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005年12月 9日 (金)

ミニスカートを穿いた言葉の魔術師

昨日の日記でも書きましたが久方ぶりにTVで森高千里を見ました。結婚してからは唄うことも無く露出も殆ど無かったので何か懐かしかったです。森高千里といえば一般的にミニスカートの似合う美形アイドルとして通ってますが、実は結構言葉遊びの天才でもあります。後半の大人しくなった時代とは違い自分で歌詞を書き始めた頃の森高は凄いの一言です。決して文学的な良さではないのですが誰にも書けない歌詞を書いていた一人です(パツと見誰にでも書けそうな歌詞なんですけどね)。昔WOWWOWで森高の特集をやっていたのを見た事があります。その時ゲストに井上陽水が出演していて森高の歌詞をベタ褒めしていたのが物凄く記憶に残っています(本当の言葉の魔術師に褒められるとは凄い!)。その時陽水は「私にはどう足掻いても書けない歌詞です。千里さんは天才です」と言っていました。確かに誰の物まねでもない新しい世界観の歌詞の書き方でした。一時期でも本気でミュージシャンを目指した私としては歌詞のセンスには脱帽としか言えませんでした。勿論森高本人以外が歌うと全く良さが伝わらない歌詞なんですけどね。「臭いものは蓋をしろ」「私がおばさんになったら」「ミーハー」「ストレス」どれも今までの歌詞にはありえない書き方です。本気で売れてからはミニスカートも穿かなくなったし歌詞も普通になって残念でした。感性が研ぎ澄まされてる時期はハングリーな時に限られるのでしょうか?もう一度天才森高千里の勇姿を見てみたい気がします。最後に言っておきますが私は決してアイドルおたくではありません(笑)。あしからず。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2005年11月15日 (火)

昔の名前で出ています

この間コンビニで買い物をしていたら懐かしい曲が耳につきました。「こんな古い曲が何故今ごろ?」と不思議に思い神経を集中していました。よく聞くと歌っているのは原曲の人ではなく、声質から「平原綾香」であると気づきました。でも何故今更こんな曲なんだろうと調べたらカバーアルバムを出した中の一曲だそうです。最近はカバーアルバムブームみたいで「マッキー」(すいません漢字正確にわかりません)や「徳永英明」なども出してます。カバーアルバムを出すのは良いのですが、選曲がどれも同じような感じがしてうんざりです。勿論カバーしたくなるほど良い曲なのですからダブっても仕方の無い事ですが、オジサン達にはちとクドイ気がします(今の若い世代がこれを聞いて名曲を知る手助けには必要な事かもしれませんが)そんな中で平原綾香のこの曲は意外性がありました。この「晩夏・ひとりの季節」という曲は荒井由美の曲でシングルにもなっていない凄くマイナーな曲です(14番目の月というアルバムの地味な一曲)現に最近出た荒井由美時代のベストアルバムにも入っていないくらいです。しかしこの曲は名曲です。何と言っても歌詞が良い!OLの気持ちを代表する神様みたいな扱いを受けている軟派な松任谷由美ではなく、クスリもやるし鬱にもなる内向的な荒井由美時代こそユーミンが天才だった時代です。バックバンドも鈴木茂(G)・細野晴臣(B)・林立夫(Dr)・松任谷正隆(Key)とその当時の最高のミュージシャンがつとめています。曲も良いのですがやはり荒井時代のユーミンの凄さは歌詞にあると思います。何度もかみ締めたくなる日本語の使い方は他に類を見ません。英語を使うことがカッコいいとされる昨今ですが、横文字が一文字も入らない純文学のような歌詞達。今聞いても新鮮です。平原綾香よくぞカバーしてくれました。彼女の声質にもあっているし荒井時代のユーミンが天才だった事を世に思い起こさせるきっかけになる気がします。

| | コメント (12) | トラックバック (0)