2012年12月24日 (月)

2012年映画総括

今年も後わずかとなりました。なので映画の総括です。恐らくDVDで100本は観てますが、今年も何かパッとしない印象。何とか5本選びました。

①ウォーキング・デッド/TVドラマ フランク・タラボン製作総指揮のTVドラマ。ここ数年の下手なゾンビモノよりも相当レベル高し!ゾンビメイクも良いし、脚本が最高。シーズン2まで観ましたが、3も放送予定なんで、先が楽しみです。

②ゾンビ大陸 アフリカン/ハワード&ジョン・フォード監督 本家ロメロ監督作品を除けば久々の大ホームランゾンビモノ。何せアフリカの大地にゾンビという設定が良い。また最近のゾンビみたいに走らない鈍さが最高。音もなく忍び寄る恐怖が久々。

③ヒミズ/園子温監督 チョッと前までは知る人ぞ知るカルト監督だったのに今や有名メジャー監督に。作品を撮るスーピードにも驚かされますが、どれも問題作。今年は「恋の罪」と二本観ましたが、出来栄えでいえば完全にこちらの圧勝。初の他人の原作(漫画原作)という試みも良かったです。主役の若者二人と、ベテランの脇役の対比が◎。

④カエル少年殺人事件/イ・ギュマン監督 ここ最近の韓国映画は毎年素晴らしい作品を送り出してきます。傑作「殺人の追憶」と同じ本当にあった未解決事件を映画化したもの。リアル感あって世界に嵌れました。

⑤LAST4 こちらもゾンビモノ。低予算でどれだけの作品が撮れるかと言う実験的作品。メインは生き残った4人だけ。そして舞台は基本倉庫の中。出てくるゾンビも数体だけ。そんな限られてシュチュエーションで1時間30分飽きさせない作品に仕上げた監督の力量に脱帽。ゾンビ本体が出なくても怖がらせる細工が斬新でした。

以上5本が印象に残った作品です。ゾンビモノが3本も。個人的な趣向でスイマセン。でもちゃんとカンヌやベルリン作品も観てます。印象に残らなかったので残念。色んな要因はあると思いますが、映画がつまらなくなった気がして仕方ない。本数よりもじっくりいい作品を出して欲しいものですね。

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2012年10月22日 (月)

韓国三大未解決事件の一つ(「カエル少年殺人事件」 イ・ギュマン監督)

イ・ギュマン監督の「カエル少年殺人事件」を観ました。何かタイトルからするとホノボノした感じが滲み出ていますが、この映画の元になったのは韓国で1991年に実際に起こった未解決事件をベースにしてあります。子供たち4人が「カエルを獲りに行って来る」と言ったまま行方不明になり、数年後に山の中から遺体が発見された事件です。未だに犯人の目処さえついていない韓国三大未解決事件の一つだそうです。もう一つの事件はポン・ジュノ監督によって「殺人の追憶」という名作になっています。さてこの映画はどうでしょうか?実話がベースなだけに割と淡々と進んで行きますが、逆に実話ならではのリアル感もジワジワ滲み出てきます。「殺人の追憶」と同じく、監督ならではの犯人像が描かれますが、確実な犯人かどうかは分かりません。「殺人の追憶」程の迫力は無いですが、この映画も充分凄い映画です。韓国恐るべし。堪能しました。

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2012年10月16日 (火)

正直ちょっと残念(「恋の罪」 園子温監督)

先週観た「ヒミズ」に続いて園子温監督の「恋の罪」を観ました。この映画は東電OL殺人事件にインスパイアーされて監督が撮った映画とされています。「冷たい熱帯魚」も愛犬家殺人事件をベースにしていたので、実際の事件をベースにした二作目の作品です。この東電OL殺人事件は未だに色々と憶測が飛び交い、本当の真実が良く分かっていない事件です。一説には被害者のOLの父親が原子力発電で被爆して死んでおり、その真実を伝える為という驚くべき噂まで飛び交っていますが、どうなんでしょう?映画はそんな噂は全く無視して、女性いや人間の本性に迫る内容でした。大学教授の女性が立ちんぼをやっていたり、貞淑な妻がドンドン性の世界にはまり込んでいく過程を、じわじわと描いてあります。ただ今回の映画に関しては長さが物凄く気になったのは事実。何時もは二時間以上あってもそれほど気にならないんですが、この作品に関してはもう少しコンパクトにまとめたほうが良かった気がします。水野美紀扮する女性刑事の役はそれ程必要を感じませんでした。「ヒミズ」の時にも言いましたが作品毎に映画としてまとまってきてる気がします。でもその分毒気は薄れている気がするのは、個人的には残念です。

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2012年10月 2日 (火)

俺にだって分かる、自分の事以外なら(「ヒミズ」 園子温監督)

大好きな奇才監督園子温さんの「ヒミズ」を要約鑑賞。前情報で震災がテーマに入っていると聞いていたので、冷静に観れる様になってから観ようと思ってたので随分遅くなりました。原作は10年前にヤングマガジンで連載していた古谷実さんの漫画。その当時読んだ記憶がありますが、エンディングとかは何故か記憶から抜け落ちています。ただドウシヨウモナイ両親に捨てられボート小屋で生活する中学生の話なのはしっかり覚えています。映画も設定は同じでした。ただ時折震災のリアルなガレキの映像が差し込まれる。主人公の絶望と震災の絶望をリンクさせる為だろうか?この点は少し違和感有りました。白熱した演技をしたのが新人の若者二人。世間的に評価もされヴェネチァ国際映画祭で最優秀新人賞を受賞してます。確かに新人とは思えない白熱の演技は気迫溢れる物がありました。が!原作のクールな狂気感は全くありませんでした。評価が非常に迷うのは原作があるから。今までオリジナル脚本しか映画にしてこなかった園監督。故に総てが園ワールドでした。しかし今回は何処底かに古谷ワールドの香りがする。それに加えてどうしても表現者として触れずには居られない大震災という現実がそこにある。故に園ワールド全開とは感じられなかった。でもお陰で一般的の人にも非常に観やすい映画になったのも事実。前作「冷たい熱帯魚」に比べれば、相当真っ当なテンションの映画です。評価が分かれるんでしょう。園監督好きな人はそれぞれ色んな意見が飛び交かっているんでしょうが、映画監督としては確実に一皮向けてますね。やはり前作「冷たい熱帯魚」が分かれ目になった気がします。劇中ヴィヨンの詩が読まれます。その最後に(俺にだって分かる、自分のこと以外なら)という一文がある。人は結局自分の事が一番分からない。それは頭だけで考えられないから。感情や経験の上で植え付けられた恐怖心や価値観が自分の事の判断を狂わす。それは失敗したり苦境に陥る自分の姿を想像する事が出来るから。人間は想像する未来に向かうもの。震災の復興を早めるには、一人でも多くの人が輝かしい未来を想像する事だと思う。この映画の主人公も最後の最後に僅かばかりの光る未来を見つけた事で、生き続ける決意が生まれる。園監督は福島に同じ未来を重ね合わせたんだと思います。「恋の罪」引き続き観てみます。

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2012年9月23日 (日)

スピンオフ作品がスピンオフしすぎました(「スコーピオンキング3」)

SFXをフルに活用した大作「ハムナプトラー」のスピンオフ作品「スコーピオンキング」。一作目は正式なスピンオフ作品らしく登場人物や製作にもお金がかけてあり、それなりに楽しめる作品でした。その後パート2も登場し、今回「スコーピオンキング3」が何時の間にかヒッソリとDVDで発売されていたので観てみました。これが実に酷い。もう途中何度も寝そうになりました。SFXシーンなど皆無だし、何故か忍者まで登場!何処の国の何時の時代の映画なんだろう。一応若き日のスコーピオンキングの話という繋がりはあるそうだが、もうどうでもいいくらいツマラナイ。これを続編と呼んでいいのだろうか?一応ソコソコの有名な役者さんも何人か出ているだけに残念で仕方ない。もう続編はいいです(毎回言ってますが)。日本未公開DVDオンリーなのには頷けます。皆さん100円でも借りる価値なしですよ!

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2012年9月12日 (水)

これぞ映画!(「ビフォアー・ザ・レイン」 ミルチョ・マンチェフスキー監督)

遂に話題の映画を観れました。マケドニアのミルチョ・マンチェフスキー監督の「ビフォアー・ザ・レイン」という映画です。この映画ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞含め五部門を受賞して、アカデミー賞の外国語映画賞にもノミネートされた話題作です。監督のミルチョ氏はMTVやTVCM界では大変有名な方だそうで、この作品が映画初監督だそうです。でも凄いですこの映画!久々に映画の持つパワーに魅了されました。三部作で一つの映画となる構成になる形になっていますが、自然と初めの話と最後の話が繋がるという仕掛けがしてあります。内容は細かく書きませんが、タイトルが意味深い。雨の降る前という意味を持つタイトル。雨は恵みでも有り不幸の兆しでもある。愚かな人間はその雨の降る前も後も、愚かなな争いを続けている。不幸はループしていくんです。そんなメッセージが込められている感じがします。兎に角カメラワークから音楽から脚本まで最高です。ぜひ観て貰いたい傑作です。劇中に出てくる一本の木が、タルコフスキーの映画を思わせるのは私だけ?

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2012年9月11日 (火)

チリ版キックアス(「MIRAGE」)

変な手触りのする映画に出会った。何の前情報もなかったんですが、DVDのパッケージがかもし出す雰囲気が何か特殊な匂いがしたので観てみました。その名も「MIRAGE/ミラージュ」と言います。物語は簡単。昔両親を強盗に殺された主人公。何の意味もなく体を鍛えカンフーを鍛錬しています。ある日道端で強盗に出会い、女の人を助ける為に強盗倒し名を告げずにさります(何故か顔がばれたらいけないと思ったのかマスクまでして)。その助けた女性が偶然TVのリポーター。彼女のよりTVでミラージュマンと名付けられ途端に人気者に。自分の生きがいを見つけた彼は世に蔓延る悪党を倒しまくります。しかし本物の悪者集団に捕まり半殺しの目に。もう二度とミラージュマンにはならないと決めますが、さらわれた子供を助ける為に決死の戦いに向かいます。果たして結果は?と言った感じです。何処かキックアスやSUPER!に似てますね。最大の違いは、笑いが全くないこと。チリ映画なので低予算だし、何か色合いも暗い。でも不思議な魅力があるのは事実です。カルト映画の部類に入るのかな?なんせ不思議な映画でしたが、嫌いじゃないです。

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2012年8月28日 (火)

自分に観るセンスが無くなたのかも?(「パレルモ・シューティング」 ヴィム・ヴェンダース監督)

大好きな監督の一人ヴィム・ヴェンダース監督の最新作「パレルモ・シューティング」を観ました。ここ最近ヴェンダースの映画はどれも印象に残っていないのが事実。何でだろう?あんまり体質的に合わなくなったのかな?今回はどうでしょう。主人公は売れっ子カメラマン。彼が何かに取り付かれるようにパレルモに旅行し、そこで出会う人たちと死と生について考える映画。恐ろしくザッとした説明ですが、ほぼそれで説明は間違って居ないはず。つまり今回も物語を楽しむ映画ではないということ。映像・音楽・哲学。恐らく脚本もザックリとした感じで撮影に入ったんでしょう。感想としては今ひとつ良さは分からなかったです。昔はこの手の映画でも集中して観れたんですが、最近はトンとだめです。途中で何度も寝そうになってしまいました(反省)。歳をとったから感性が鈍ったのかもしれませんね。兎に角自分にはそれ程引っかかる物はありませんでした。音楽は最高です。サントラ聞きたいくらいです。そうそうデニスホッパー出てます。遺作らしいです。

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2012年8月23日 (木)

これは映画でなく実話だ!(「KINATAY」 ブリランテ・メンドーサ監督)

第62回カンヌ国際映画祭監督賞を受賞したフィリピン映画「KINATAY マニラ・アンダーグラウンド」を観ました。監督はブリランテ・メンドーサという人物。もしかしたらフィリピン映画は初かも?主人公は警察学校に通う男子学生。学生ながらも結婚をし、既にお腹の中には赤ちゃんも!(フィリピンでは普通みたい)。なのでお金を稼がないといけないという事で、友人に頼み少し怪しいアルバイトを。それが恐怖の一夜に変わります。マフィアの車に乗せられて一人の女性を拉致します。何でも麻薬の売り上げをくすねたという事。縛られ口をふさがれた女性を何処かに連れて行きます。その道中の模様が凄い。別段特別な事があるわけではないんですが、警察とすれ違ったり、町の夜景を淡々と写すんですが。何故か主人公の緊張感が伝わってきます。結果女性は殺され、車で戻ってくるんですが、これから警察官になろうとしている主人公に、平気で殺人の手伝いをさせる。これがマニラの現実だそうです。それを知るとゾーッとします。正直映画としてのレベルはどうかな?という感じがしましたが、妙な緊張感は凄かったです。

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2012年8月11日 (土)

恐怖は伝染する(「悲しみのミルク」 クラウディア・リョサ監督)

2009年のペルー映画「悲しみのミルク」観ました。監督はクラディア・リョサという人物です。この映画はベルリン国際映画祭で金熊賞をとり、その年のアカデミー映画外国映画賞にもノミネートされたそうです。早速鑑賞。舞台はペルーの田舎町。母親と二人で暮らす女性の物語。冒頭母親が唄で自分の過去に本当にあった話を聞かせます。ペルーが内乱だった時代、目の前で旦那が殺され、その上妊娠していた自分もレイプされたという恐怖の過去を歌にして娘に淡々と聞かせるシーンから始ります。そんな歌を子供の頃から聞かされ続けた主人公の女性は怖くて外に出ない生活をしていました。が母親が亡くなり埋葬する為にお金を稼ぐ必要がでて働きに出ます。しかし彼女にとって外の世界は恐怖の世界。様々な軋轢と闘う日々です。そんな中働く先の外国人の声楽家から歌を教えて欲しいと依頼されます。お金を稼ぐ為に教えだすのですが、最後に裏切られます。そして彼女は本当の意味で外の世界に踏み出しますという話し(かなり端折りました)。先ず一言。非常に重たい映画でした。世界中にはついこの間まで内戦や戦争が普通に存在していた国が多く、その恐怖たる物尋常ではない。現代の日本人にはまったく理解できない世界です。しかしそれが現実。ヒシヒシと感じられます。いいセリフがあったので書いておきます。(死だけは人間の義務だ。その他は自分の意思だ)とかく人間は自分の生活を恨みがちですが、総て自分の意思の結果。死ぬ事以外は自分で決めれるんです。深い言葉でした。

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