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2012年12月 3日 (月)

忘れ去られた理想郷(「いつか響く足音」 柴田よしき)

柴田よしき「いつか響く足音」を読みました。久々の柴田作品です。忘れさられた古い公団住宅が舞台。そこに住む人達それぞれが抱える悩みを綴った連作短編集です。高度成長期の時代は理想郷とされた団地。何もかもが新しく最先端だった場所。日本人の多くが団地に住む事に憧れた時代がありました。しかし時代が代わり今や、住む人は老人ばかりになり建物も老朽化した忘れ去られた場所となっています。しかし今もそこには人々が暮らしており、何かしらの人生の悩みを抱えています。でも助け合い寄り添う事で何とか明日への希望を生み出し生きています。そんな人達を柴田さんは活き活きと描き出しています。まー内容としては普通ですが、ホッコリする佳作です。印象に残った言葉があるので書いておきます。(欲望を持つことが罪ならば、人間である事そのものが罪なのか?)人間は罪深い生き物であります。でもだからこそいとおしい。皆が聖人君主だったら、小説も生まれてませんもんね。

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