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2012年11月 8日 (木)

タイミングよく出会った一冊(「雪冤」 大門剛明)

第25回横溝正史大賞を受賞した大門剛明さんの「雪冤」を読みました。(雪冤)とは雪辱と冤罪からきた文字です。丁度昨日UPした森達也さんの「死刑」を読んでるときに出会った本です。この本も死刑制度に対して真っ向から格闘している物語です。主人公は息子が殺人犯で死刑を待つのみの父親。元弁護士で息子の無実を信じて日々、署名活動や真相究明に走り回っています。いよいよ死刑が近づいて来たある日、自分が真犯人だと名乗る人物から電話がかかってきて物語が一気に動き出します。果たして息子の冤罪は晴れるのか?新犯人は?死刑制度の是非は?と内容盛りだくさんです。読み終えた感想は物語としては平均点という印象。でも途中までは物凄く面白かったです。後半エンターティメトに走りすぎて、ドンデン返しの連続などで一気に物語がチープになった気がします。でも難しいネタを読ませる筆力は充分あると思います。作者は冤罪があるから死刑制度を止めた方がいいという短絡的な考え方はしてはいないと、主人公に語らせています。冤罪と死刑制度の問題は別の土俵に存在するんです。そこを明確にしたスタンスで物語を書いたのは立派だと思います。死刑問題。偶然にも連続して話を読んで、色々と自分でも考えさせられました。

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