« 2012年9月 | トップページ | 2012年11月 »

2012年10月27日 (土)

初の(?)現代風か!(「本日サービスデー」 朱川湊人)

ノスタルジックホラーという分野を確立した作家朱川湊人さんの短編集「本日サービスデー」を読みました。朱川さんの持ち味は短編にあります。そしてどこか自分の子供の頃を思い起こさせるような郷愁を感じるさせるのが素晴らしい作家さん。でも今回の作品集の舞台は現代。何か今ひとつしっくり来ません。勿論文章は相変わらず上手いし、オチもちゃんとしているので満足度も高い。その点はいいのですが、何か現代が舞台だと持ち味が半減したような気がしてならない。私だけかもしれませんが、少し不満の残る読了感でした。デビュー前に書いた「スメラギの国」が長編だったので、長編をぜひ新作で一度読んでみたい作家さんです。次作に期待です!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年10月24日 (水)

個人的には傑作だと思う(「LAST4」)

あまり期待せずに借りてきたゾンビモノ「LAST 4」を観ました。あまり期待せずにというの、この映画に限らずゾンビモノの9割は外れだから、どれもそんな感じで借りてきます。なら観なければいんじゃん!と毎回言われるんですが、時に隠れた名作に出会うので続けています。今年は「ゾンビ大陸 アフリカン」という傑作に既に出会っています。さてこの映画はどうでしょう。物語はとある田舎町が舞台。ある朝大きな震度と共に町の外れの化学工場に噴煙が上がっているのを主人公は目にします。後々分かるのですが、どうやら化学薬品が爆発してその煙で人々がゾンビ化しているみたいです。タイトルから分かる様に、ゾンビ化せずに生き残った四人が、とある倉庫に立てこもります。その中での緊迫した模様や人間関係が描かれます。果たして彼らは生き残れるのか?という感じです。正直内容はベタでゾンビの出現率も凄く少ないです。が!これは実に素晴らしい映画でした。兎に角少ししか出てこないゾンビの使い方が上手い!観てる側がゾワゾワするのを物凄く考えています。後普段のゾンビが全く動かないのに(一点を見つめてボーッと立っている感じ)、人を見つけると猛ダッシュしてくるコントラストが素晴らしい。この監督やりますね。何時か凄い映画を撮りそうです。こういうB級映画に出会うからやめられないんです。オススメです!

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2012年10月23日 (火)

持ち味出てそうで出てない(「愛しの座敷わらし」 荻原浩)

荻原浩さんの「愛しの座敷わらし」を読みました。この本は「HOME 愛しの座敷わらし」として映画化もされています。物語はとある家族が主人公。お父さんが左遷にあい、東京から田舎に引っ越す事に。アパート暮らしも出来たのですが、築200年の古民家に住むことに。何とそこには座敷わらしが住んでいたんです。初めはそのことに驚いていたんですが、段々と家族に溶け込んでいきます。仕事人間だった父は家族想いに。友達の居なかった娘は友達が出来、喘息もちの息子は元気に。そして地方気味だった母も回復に。座敷わらしのお陰か、田舎の空気のお陰か、総てがいい方向に向かい、家族愛を確かめ合うという、荻原さんらしい泣き笑いのいい話です。ですが昔のようならしさが今一つ感じられないのが私だけ?あまりにも物語がすんなり流れすぎるのが物足りない気がします。でも読みやすく万人向けなのでオススメです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年10月22日 (月)

韓国三大未解決事件の一つ(「カエル少年殺人事件」 イ・ギュマン監督)

イ・ギュマン監督の「カエル少年殺人事件」を観ました。何かタイトルからするとホノボノした感じが滲み出ていますが、この映画の元になったのは韓国で1991年に実際に起こった未解決事件をベースにしてあります。子供たち4人が「カエルを獲りに行って来る」と言ったまま行方不明になり、数年後に山の中から遺体が発見された事件です。未だに犯人の目処さえついていない韓国三大未解決事件の一つだそうです。もう一つの事件はポン・ジュノ監督によって「殺人の追憶」という名作になっています。さてこの映画はどうでしょうか?実話がベースなだけに割と淡々と進んで行きますが、逆に実話ならではのリアル感もジワジワ滲み出てきます。「殺人の追憶」と同じく、監督ならではの犯人像が描かれますが、確実な犯人かどうかは分かりません。「殺人の追憶」程の迫力は無いですが、この映画も充分凄い映画です。韓国恐るべし。堪能しました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年10月20日 (土)

直木賞も頷ける実力(「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ」 辻村深月)

辻村深月さんの「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ」を読みました。辻村さんは今年の直木賞を「鍵のない夢をみる」で受賞した作家さん。メフィスト賞を受賞してデビューして、この本の映像化でNHKと揉めたという位の事しか知らない作家さんで、今回初めて作品を読みました。先ずは結果から。個人的には非常に好きな作家さんであります。一応ミステリー作品ですが、そんな事どうでもよい感じがします。それよりもグイグイと読者を引き込む文章力が魅力な作家さんだと感じます。物語は一部と二部に分かれています。子供の頃からの親友が登場人物。一人は東京でライターとなり幸せな結婚をしています。そしてもう一人は地元に残り派遣社員となり、彼氏とも上手く行かず地味な生活を送っていました。そんな彼女が母親を刺して逃亡。ライターの彼女はその真相を追います。一部はライターの視点で事件が何故起こったかを語られます。そして二部ではもう一人の主人公が事件後どうしたかが描かれています。この二部に大きなドンデン返しが仕掛けられています。先ほども言いましたがその点はそれ程驚きは無いのですが、兎に角先が読みたくて一気読みしてしまう筆力は圧巻。他の作品も直ぐにでも読んでみたくなった作家さんです。直木賞は伊達じゃなかったですね。変てこなタイトルですが、この謎は結構早目に分かってしまうのは御愛嬌ですね。でも謎解き系を押す作家さんではないので問題なしです。いい作家さん見つけちゃいました(遅い?)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年10月16日 (火)

正直ちょっと残念(「恋の罪」 園子温監督)

先週観た「ヒミズ」に続いて園子温監督の「恋の罪」を観ました。この映画は東電OL殺人事件にインスパイアーされて監督が撮った映画とされています。「冷たい熱帯魚」も愛犬家殺人事件をベースにしていたので、実際の事件をベースにした二作目の作品です。この東電OL殺人事件は未だに色々と憶測が飛び交い、本当の真実が良く分かっていない事件です。一説には被害者のOLの父親が原子力発電で被爆して死んでおり、その真実を伝える為という驚くべき噂まで飛び交っていますが、どうなんでしょう?映画はそんな噂は全く無視して、女性いや人間の本性に迫る内容でした。大学教授の女性が立ちんぼをやっていたり、貞淑な妻がドンドン性の世界にはまり込んでいく過程を、じわじわと描いてあります。ただ今回の映画に関しては長さが物凄く気になったのは事実。何時もは二時間以上あってもそれほど気にならないんですが、この作品に関してはもう少しコンパクトにまとめたほうが良かった気がします。水野美紀扮する女性刑事の役はそれ程必要を感じませんでした。「ヒミズ」の時にも言いましたが作品毎に映画としてまとまってきてる気がします。でもその分毒気は薄れている気がするのは、個人的には残念です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年10月12日 (金)

第一回目受賞作としては弱いかな?(「慈しむ男」 荒井曜)

第一回ゴールデンエレファント賞という賞の受賞作荒井曜さんの「慈しむ男」を読みました。何でもこの賞は世界に通用するエンターテイメント小説を発掘していくというのが目的の賞だそうです。そんな大それた賞の一回目の受賞作なら読まないと!という事で読んでみました。結果は。。。。只のライトなクライム小説でした。冒頭の東京タワーの爆破というシーンこそエンターティメント性はありましたが、後は深みはそれ程ないまま最後まで突っ走ります。読みやすさは抜群ですが、本を沢山読んでいる人には内容は人物描写の掘り下げが薄すぎてちょっとガッカリするかな?コウノトリポストに捨てられた主人公の心の闇が今ひとつ浮かびあがってこないのが残念でした。何でも「闇閻魔」という作品と同時受賞だそうですが、そちらのほうが評判は良いみたいです。でも一回目の受賞作はもっとバーン!といかないと次が続かないですよね。あまりこの賞の話題を聞かないけどどうなんでしょうか?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年10月10日 (水)

本とにこれで最後!(「怖い動画 限定解禁」「The 衝撃映像2」)

秋のデイクドキュメンタリー祭りいよいよ本当に今日で最後です。一本目は「怖い動画 限定解禁」です。これぞ本家呪いのビデオの正統的亜流。違いは一本一本の映像の間に紹介する人間が出演している点だけ。当然動画のレベルも低いし観れたものじゃありません。暇つぶしにもなりませんでした。そしてもう一本は「The 衝撃映像2」という続編。勿論1も観てます(ブログに紹介済み)。こちらのシリーズの特徴は、心霊モノだけでなくカルトやSMや虫食いなど、兎に角衝撃的な映像を選んでUPしているという点です。なので虐め映像があったり、観てられないほど気持ちの悪い映像があります。今回の一番の衝撃は一番初めの映像。まー文字にするのもお下劣なんですが、兎に角中年男性の下半身の話し。このおっさんち〇こに管を入れたり、タマタマに釘を打ったりしても痛くないという超人。色々とハードな技を見せてくれます。物凄いんですが笑えるのが、そんなそんな凄い事が痛くないのに、お灸を暑がったりするのが笑えて仕方ない。まータイトル通り衝撃的でした。これは心霊フェイクとは一線を画すシリーズですが、まーソコソコの出来栄えです。以上秋のフェイクドキュメンタリー5連荘でした。明日からは何気ない日常に戻りますね。

| | コメント (0) | トラックバック (2)

2012年10月 9日 (火)

何と!懲りずにまた!(流出封印動画 誰・魔・落・死)

皆さん恥ずかしながら告白します。実は昨日もツタヤでフェイクドキュメンタリー何本か借りてしまいました。100円セールで金曜日に3本借りて、日曜日に返しに行ってまた三本借りてきてしまいました。あーもう病気です。でも100円でないと借りないわけで(北の国の純君風)。来月まで借りないのでお許しください。という事でもう3日フェイクドキュメンタリーネタです。このネタを書くとヒット数メチャクチャ減るんですがライフワークなので書きます。今回紹介するのは「流出封印動画 誰・魔・落・死」という一本。「ウルトラゾーン」の田口清隆監修とデカデカとあります。つまり完全にフェイクという事ですね。都市伝説をベースにした物語(もう物語とあえて書きます)が三本収められています。特に力が入っているのが「だるま落とし」という話し。一昔前前から(だるま女)という都市伝説が流れているので、その話をベースにしてあります。でももう作り物感プンプンです。フェイクドキュメンタリーの部類に入れるのもどうかと思うレベルですね。よくよくタイトルを見ると、誰魔落死→だるまおとしとなっていました。まー100円で暇つぶしなら辛うじてセーフですかね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年10月 8日 (月)

そして本家(「ほんとにあった!呪いのビデオ48」)

フェイクドキュメンタリー三連荘。ラストは本家紹介です。毎年夏に三ヶ月連荘で発売になるこのシリーズ。今回は今年の三部作の二作目「ほんとにあった!呪いのビデオ48」を鑑賞。夏の三部作の売りは、三部作を通して追跡するネタがあること。今年は(死返・まるがえし)という作品になっています。その前に何時もの如く家庭用ビデオや監視カメラに写りこんだ心霊映像を幾つか。まー流石に本家なのでどれも観れるレベルには仕上がっています。ただパターンがマンネリ化しているのは否めない。一本目の(雨女)は過去の名作(ビデオレター)と同じパターン。初めは遠くに移りこんで一瞬で背後に写りこむパターン。初めてこのパターンを観た時は衝撃を受けましたが、もう何度も同じパターンのを観てるので飽きました。新しいパターンとしてはドライブしていて、何かが車に落ちてきた音がしたので車を停めて確認するが何もない、しかし映像には飛び降りてフロントに寝転ぶ霊が!というパターン。完全に作り物ですが、パタンーンとしては新しくて良かったです。さーいよいよ次作で(死返)の謎が完結します。楽しみです。評価としてはソコソコです。安定感は相変わらずです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年10月 7日 (日)

連休中日にフェイクドキュメンタリー祭り第二段(封印映像8・9)

予定通り本日もフェイクドキュメンタリー紹介です。今やブロードウェイの(ほんとにあった!呪いのビデオ)に継ぐドル箱作品となった「封印映像」シリーズ。二本まとめて鑑賞しました。「封印映像8 自傷の女王」「封印映像9 制服の怨念」です。昨日紹介した「闇動画」の児玉さんがもともと始めたシリーズですが、パート6以降は名前が外れて、全く違う人間がプロデュースしています。そのせいかここ数本はメチャクチャしょぼい作品が多い。今回観た二本も全く盛り上がらない。正味1時間くらいの作品で他の映画と同じレンタル料金はちょっと高いんではないか?と不満に思うくらいのレベルです。今やフェイクドキュメンタリーという分野は珍しくも無い。もっと脚本をちゃんと練らないと、ほん呪シリーズの様には長続きしないでしょう。まー100円なら暇つぶしになるかな?という程度です。はい。明日は本家紹介します!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年10月 6日 (土)

季節外れのフェイクドキュメンタリー三連荘(「闇動画3」)

ツタヤ100円セール開催にて観てなかったフェイクドキュメンタリーを山盛り借りてきました。なので今日から続けて紹介します(興味ない人はスルーしてね)。一本目はこれ!「闇動画3」です。ほんとにあった!呪いのビデオシリーズのスタッフ児玉和士さん製作のシリーズ第三弾です。このシリーズは完全作り物と分かっているシリーズです。でも形はちゃんとドキュメンタリー風に仕上げてあります。5作品が収められています。そのうち二本は映像だけをサラッと流し、三本を追跡取材しています。今回も内容盛りだくさんの出来ばえ。一作目はよくある山道で見知らぬ女性を乗せるパターン、そしてラストもよくある廃墟でのコックリさんの映像。ネタとしては些か古いのは否めないんですが、やはり王道のネタは受けがいいんでしょうね。ベタなネタですが良く造りこんであって非常に出来栄えが良いです。リアル感は薄いですが、その点を初めから理解してみれば面白いです。次作品が楽しみです!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年10月 5日 (金)

史実を良く知らないので良く分からない(「相棒」 五十嵐貴久)

五十嵐貴久さんの「相棒」を読みました。何やらTVで流行っているドラマにひっかけた様なタイトルです。そして内容も幕末の日本を舞台にした話らしい。三国志以外の歴史に全く興味のない私は読む前に少しひいてしまいました。主役は二人。坂本竜馬と土方歳三。勿論名前は知った二人ですが、幕末の歴史に全く詳しくないので、二人の本当の関係性が良く分からないまま読了。本当は宿敵なんですよね?恐らく。その二人が徳川慶喜の暗殺未遂の下手人を探す為に一時期だけ手を結び犯人探しをするエンターテイメントです。幕末の有名な人達総出演で、この時代の歴史が好きな人にはたまらないんでしょう。でも私的には最後までテンションあがらず。ドンデン返しも予想がつくレベル。同じ五十嵐作品の時代物だったら「安政八年の大脱獄」(確かそんなタイトル)の方が、何倍も楽しめました。五十嵐さんが悪いんじゃなくて、私が日本の歴史モノに興味がないんでしょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年10月 2日 (火)

俺にだって分かる、自分の事以外なら(「ヒミズ」 園子温監督)

大好きな奇才監督園子温さんの「ヒミズ」を要約鑑賞。前情報で震災がテーマに入っていると聞いていたので、冷静に観れる様になってから観ようと思ってたので随分遅くなりました。原作は10年前にヤングマガジンで連載していた古谷実さんの漫画。その当時読んだ記憶がありますが、エンディングとかは何故か記憶から抜け落ちています。ただドウシヨウモナイ両親に捨てられボート小屋で生活する中学生の話なのはしっかり覚えています。映画も設定は同じでした。ただ時折震災のリアルなガレキの映像が差し込まれる。主人公の絶望と震災の絶望をリンクさせる為だろうか?この点は少し違和感有りました。白熱した演技をしたのが新人の若者二人。世間的に評価もされヴェネチァ国際映画祭で最優秀新人賞を受賞してます。確かに新人とは思えない白熱の演技は気迫溢れる物がありました。が!原作のクールな狂気感は全くありませんでした。評価が非常に迷うのは原作があるから。今までオリジナル脚本しか映画にしてこなかった園監督。故に総てが園ワールドでした。しかし今回は何処底かに古谷ワールドの香りがする。それに加えてどうしても表現者として触れずには居られない大震災という現実がそこにある。故に園ワールド全開とは感じられなかった。でもお陰で一般的の人にも非常に観やすい映画になったのも事実。前作「冷たい熱帯魚」に比べれば、相当真っ当なテンションの映画です。評価が分かれるんでしょう。園監督好きな人はそれぞれ色んな意見が飛び交かっているんでしょうが、映画監督としては確実に一皮向けてますね。やはり前作「冷たい熱帯魚」が分かれ目になった気がします。劇中ヴィヨンの詩が読まれます。その最後に(俺にだって分かる、自分のこと以外なら)という一文がある。人は結局自分の事が一番分からない。それは頭だけで考えられないから。感情や経験の上で植え付けられた恐怖心や価値観が自分の事の判断を狂わす。それは失敗したり苦境に陥る自分の姿を想像する事が出来るから。人間は想像する未来に向かうもの。震災の復興を早めるには、一人でも多くの人が輝かしい未来を想像する事だと思う。この映画の主人公も最後の最後に僅かばかりの光る未来を見つけた事で、生き続ける決意が生まれる。園監督は福島に同じ未来を重ね合わせたんだと思います。「恋の罪」引き続き観てみます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年10月 1日 (月)

恋愛というのは、いわば地獄めぐりのようなもの(「深く深く、砂に埋めて」 真梨幸子)

ここ最近イヤミスというジャンルが流行っている。その中の一人に真梨幸子という作家さんが居ます。デビュー作「孤虫症」から非常に注目していた作家さんでした。がデビュー作以来暫く読んでなかった作家さんでしたが、ここに来てイヤミスブームで一気に何冊も読んだ作家さん。順序が逆になりましたがデビュー二作目「深く深く、砂に埋めて」を読みました。ミステリーというか悪女譚と呼べる作品。何でも悪女文学の傑作「マノン・レスコー」を下地にした作品だそうだ。男が惹きつけられずに居られない美貌を持つ女。この女性をめぐる人達の物語。彼女自身には悪意は無くても、周りが自然と悪事に手を染めて行ってしまいます。先の展開が物凄く気になり一気読みしてしまいました。正直真梨さんの作品の中では一番好きです。いい言葉があったので書いておきます。(運命は常に、何通りも用意されている。どの道を選択するかは、その時の体調や雰囲気や環境、またはタイミングに左右されるだろうが、最も大きな原動力になるのは、やはり、その者の性質であろう。要するに運命はいくつもあるようでいて、実はひとつなのだ。そう考えると、私は私の運命がどれほど屈辱的で壊滅的なものになったとしても、それは愛着を持たずにはいられない。他から見れば汚れたボロボロのブランケットであったとしても、自分にとってはそれがなければ眠れないほどに、大切な物なのである)今の自分を作り上げているのは自分自身。誰かと比べて例えそれが不幸に分類されるものでも、自分の運命をいとおしむ事。それが出来る人こそ幸せ者なんでしょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2012年9月 | トップページ | 2012年11月 »