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2012年8月31日 (金)

この人の目にはそう写るんだろう(「架空の球体を追う」 森絵都)

先日電車で30分程の場所に飲みに出かけた。寝るには中途半端なんで本を読もうと思って選んだのがコレ。森絵都さんの「架空の球体を追う」という一冊。薄めの本なのに11編の話が収められていいる本当の短編集です。タイトルからは全く想像の付かない話し。読了後に感じるのは、完全に女性オンリーの物語というのが実感。しかもミステリー色とかお涙頂戴とか失恋とか、物語になりそうな大きなテーマは一つも有りません。日常に溢れている何気ない出来事を森さんらしい視点で描いております。なのでストーリーを追う物語ではない。だから架空の球体を追う物語なんだろうな~。どれも読み終わってから何か心の一箇所にザワザワしたものを感じさせる読了感。またそこかしらに出て来る森ワールドと言っても良い文章表現。らしさ全開の一冊です。ただ初めて彼女の作品に触れる人にはちょっと意味不明かも?森絵都好きにはたまらない一冊です。特に女性にはね。

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2012年8月29日 (水)

10年ぶりの監督作(「ザ・ウォード」 ジョン・カーペンター監督)

敬愛なるジョン・カーペンター監督の最新作「The Ward/ザ・ウォード」を観ました。何と監督作としては10年ぶりだそうです。全然気づきませんでした。前作が2001年の「ゴースト・オブ・マーズ」というSF作品でした。ん~確かのこの頃の監督作品は今ひとつパッとしてない印象。なので10年空いたんですね。さて今作品ですが。割と良質なホラーサスペンス映画となってました。なので結構万人が観ても楽しめる内容だと思います。逆にカーペンターらしいB級色や良い意味でのチープさが無かったのが残念。でも10年ぶりの復帰作としては充分及第点ですね。物語の舞台は少女ばかりが入院している精神病院。そこに送られてきた主人公が、過去に居た消えた少女の謎を探ります。そこには驚くべき謎が!という内容です。とあるキーワードを言ってしまうとネタバレになるので、この位の説明です。ロメロがここ数年大活躍しているので、カーペンターも完全復活望みます。そうそう「物体X」もリメイクされるみたいですしね(リメイクというかプロローグのような話だそうです)。

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2012年8月28日 (火)

自分に観るセンスが無くなたのかも?(「パレルモ・シューティング」 ヴィム・ヴェンダース監督)

大好きな監督の一人ヴィム・ヴェンダース監督の最新作「パレルモ・シューティング」を観ました。ここ最近ヴェンダースの映画はどれも印象に残っていないのが事実。何でだろう?あんまり体質的に合わなくなったのかな?今回はどうでしょう。主人公は売れっ子カメラマン。彼が何かに取り付かれるようにパレルモに旅行し、そこで出会う人たちと死と生について考える映画。恐ろしくザッとした説明ですが、ほぼそれで説明は間違って居ないはず。つまり今回も物語を楽しむ映画ではないということ。映像・音楽・哲学。恐らく脚本もザックリとした感じで撮影に入ったんでしょう。感想としては今ひとつ良さは分からなかったです。昔はこの手の映画でも集中して観れたんですが、最近はトンとだめです。途中で何度も寝そうになってしまいました(反省)。歳をとったから感性が鈍ったのかもしれませんね。兎に角自分にはそれ程引っかかる物はありませんでした。音楽は最高です。サントラ聞きたいくらいです。そうそうデニスホッパー出てます。遺作らしいです。

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2012年8月27日 (月)

医者にとって一番大切な事は続ける事だ!(「神様のカルテ3」 夏川草介)

夏川草介さんの最新作「神様のカルテ3」を読みました。前作が物凄く良い出来で、号泣させられた作品なんで、今回もかなりの期待をして読みました。結果は・・・まーシリーズ中一番つまらなかったという印象。毎回高得点を求めるのは酷な物ですからこんなものでしょう。しかも必ず4は出る。その4に繋げる為に主人公の医者としての現在の立ち位置をハッキリさせるための作品、と考えれば納得いく内容かもしれません。次作品に相当期待です。いくつか印象深い言葉があったので書いておきます。(歳をとってくると不思議なことにな、色んな酒を飲んだあげくに、やっぱり昔の好みに戻ってくる。結局、金の無い時代に飲んだ酒が一番旨いんだよな)今回の話は日本酒が沢山出てきます。日本酒専門店店主としてはこんな嬉しい事はありません。信濃鶴 片野桜 そして今やなくなってしまった天法まで。人気小説に日本酒が紹介されるのは非常に嬉しいですね。

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2012年8月26日 (日)

スティーブ・ガッとが裏方に徹したアルバム(「LOOK OUT NOW!」 THE GADDABOUTS)

THE GADDABOUTS(ザ・ガットアバウツ)の最新作にして二枚目の「LOOK OUT NOW!」を聞きました。このバンドはスティーブ・ガットが中心となっています。だからガットアバウツというバンド名なんですね。スティーブ・ガットといえば、私達の世代には大変有名なドラマー。テクニック抜群のイメージです。でもこのバンドではそういったテクニックは影を潜め、ボーカルがいきる様に裏方に徹しています。彼が引き立てるボーカルはポール・サイモンの妻であるエディ・ブリッケルです。優しいオーガニック系の歌声を聞かせてくれます。ノラー・ジョーンズというよりは一昔前のマデリン・ペルーに近いかな?60年代のオールドジャズやソウルの味わいを感じる一枚です。派手さは無いですがジワジワ染みこんで来る名盤です。大人の音楽とは正にこういうものを言うのでしょう。

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2012年8月25日 (土)

タイトルが違ったら良かったのに(「ホステル3」 スコット・スビーゲル監督)

全世界に拷問映画というジャンルを知らしめた問題作「ホステル」。監督のイーライ・ロスは今やB級ホラー界の救世主のような扱いとなっています。そして出るべくして出た「ホステル3」。監督はスコット・スビーゲルという人物に変っています。物語の舞台は今回はラスベガス。主人公の男が結婚を控えて、友達とバチェラパーティーに出かけた先がベガスです。そこでシリーズと同じ様に誘拐され、一人一人拷問で殺されていきます。今までと違うのは拷問シーンがショウ形式(ベガスですからね)で、客はお金をかけながら拷問を観ます。そして最大の違いは、今回は個人的な私情が挟まっている事。ここがいただけない。このシリーズの不気味さは相手を選ばない事。そして人間の底にある残虐性が持ち味。両方とも今作品にはなく、つまり不気味さが一切なくなりました。でも結構テンポよく楽しめました。なのでホステルシリーズとして出さなければ、そこそこ楽しめるB級ホラーだったのに残念。続編は手出しちゃ駄目ですね。

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2012年8月24日 (金)

伸び悩んでいる感じ(「禁断動画 Not Found5」)

ほんとうにあった!呪いのビデオの亜流の一つ、禁断動画シリーズの最新作「禁断動画 Not Found5」を観ました。このシリーズはネット上に動画でUPされたモノの中から、分けあって削除されたものを探し出して紹介してくれるというシステムです(頭ひねっている感じが出てますね)。なので心霊系だけでなく、暴力系や事故。そして刺青やピアスなどのアンダーグラウンド系の動画も有り盛り沢山な内容となっています。このシリーズも今回で5作目。何のかんの言って毎回観ています。クソみたいなツマラナイ事も無いんですが、メチャクチャ面白いということも無い。勿論殆どヤラセなんでしょうが、チープ過ぎるのがテンションを下げます。そして前作くらいから、本家呪いのビデオと同じく、追跡方の物語も盛り込み、前半後半と分けている点まで同じ。でも意外に今回のは出来が良かったです。先ほども言いましたが観なくてもいいとまでは言いませんが、絶対観てとも言いません。伸び悩んでいる感じですね。このまま消えるのか、突如として爆発するのか?境目ですね。

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2012年8月23日 (木)

これは映画でなく実話だ!(「KINATAY」 ブリランテ・メンドーサ監督)

第62回カンヌ国際映画祭監督賞を受賞したフィリピン映画「KINATAY マニラ・アンダーグラウンド」を観ました。監督はブリランテ・メンドーサという人物。もしかしたらフィリピン映画は初かも?主人公は警察学校に通う男子学生。学生ながらも結婚をし、既にお腹の中には赤ちゃんも!(フィリピンでは普通みたい)。なのでお金を稼がないといけないという事で、友人に頼み少し怪しいアルバイトを。それが恐怖の一夜に変わります。マフィアの車に乗せられて一人の女性を拉致します。何でも麻薬の売り上げをくすねたという事。縛られ口をふさがれた女性を何処かに連れて行きます。その道中の模様が凄い。別段特別な事があるわけではないんですが、警察とすれ違ったり、町の夜景を淡々と写すんですが。何故か主人公の緊張感が伝わってきます。結果女性は殺され、車で戻ってくるんですが、これから警察官になろうとしている主人公に、平気で殺人の手伝いをさせる。これがマニラの現実だそうです。それを知るとゾーッとします。正直映画としてのレベルはどうかな?という感じがしましたが、妙な緊張感は凄かったです。

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2012年8月20日 (月)

デビュー前の作品だからこんなもんか?(「スメラギの国」 朱川湊人)

ノスタルジックホラーという分野を作り上げた(周りが勝手に読んでるだけかも?)朱川湊人さんの「スメラギの国」を読みました。主人公が新しく越して来たアパートの前には野原があり、不思議な小山がありました。そして何故かそこには猫が沢山集まっていて、主人公の住むアパートのベランダにも直ぐに数匹の猫がなついて住み着きました。穏やかな日々が始ると思いきや、ある日車で一匹の子猫を轢いた事で、主人公は不幸のどん底に陥ります。猫が攻撃をしだしたのです。どうやら猫の大賞はスメラギといい、猫を越えた妖怪のような存在と分かります。攻撃は本人だけでなく婚約者は他の人にも向かいます。意を決して直接対決に出る主人公。果たして結果は?という感じの内容です。後で分かったんですが、この作品は朱川さんがデビュー前に書いた作品で、加筆して新しく出したとの事。そういわれれば納得の感じです。正直普段の朱川さんの良さはまったく出ていない感じでした。やはり朱川さんの持ち味は短編の方なんでしょうね。後猫が好きな人は絶対読まないほうがいいです。怖いというより残酷すぎて・・・。

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2012年8月18日 (土)

オーソドックスなLIVE(「SPIRIT RISING」 ANGELIQUE KIDJO)

アフリカの歌姫。いやもう女王の風格の出てきたANGELIQUE KIDJO(アンジェリーク・キジョー)の最新アルバムを聞きました。「SPIRIT RISING」というタイトルを持つLIVEアルバムです。今更LIVEアルバム?という気もしませんが、やはりLIVEは彼女の持ち味なんで早速聞いたわけです。想像通りファンキーでソウルフルなLIVEアルバムです。ダイアンリーブスやブランフォードマルサリスもゲスト出演した豪華な内容です。でもやはり一番の売りは彼女の歌声。LIVEでもアルバムと同様、いやアルバム以上に存在感のある歌声を聞かせてくれています。曲もヒット曲のオンパレードで、アンジェリーク好きにはたまらない内容です。しかし期待値が高かったせいか、想像の範囲は超えてなかったのが残念。そうは言っても充分凄いアルバムですけどね。アンジェリークを知らない方の入門編としても最適な一枚です。

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2012年8月17日 (金)

バッタもんはもう観なくていいかも?(呪動画」「影」)

あーお盆休みも終わりました。今年は飲食店もお暇でした。お陰で駄作DVD沢山観てしまいました。特に酷かったのはフェイクドキュメンタリー2本。一本目が「呪動画 K-ファイル」という作品。どの心霊動画もショボイ(泣)。これだけ色んな作品が出ているのにこのレベルはありえない。良かったところをあげるとしたら、ナレーションの女の人の声質位で後は駄目駄目。怖い部分など全く有りませんでした。二本目は「本当の心霊動画 影」という作品。こちらも一昔前の心霊写真レベルの動画。唯一オーッと思ったのが、いたずらで扉を叩くやつに悩まされ、カメラを抱えたまま外に出たら誰も居らず、部屋に戻ってきたら異形のモノが写りこんでいたという作品。結構驚きます。が他は駄目駄目でした。夏はこの手の駄作が乱発されます。本家呪いのビデオ以外は観ないでいいかもです。でもまた100円になったら借りてしまうんでしょう。両方ともアマゾンに取り扱い無しです。当然か!

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2012年8月15日 (水)

夏の三部作一作目(「ほんとにあった!呪いのビデオ47」)

今や夏の定番となった「ほんとにあった!呪いのビデオ」夏の三ヶ月連続発売!コレを観ないと夏が終わらないという事で、要約三部作の一作目「ほんとにあった!呪いのビデオ47」を観ました。今回は全体的に良い感じでした。個人的には(マヨヒガ)という廃墟の映像がグッと来ました。シリーズ史上最高傑作はスペシャル1の廃墟のリアル進入の話しだと未だに思っています。そしてその後も廃墟から出た後の首無しが走り抜ける疾走や、最近のマネキンの首が散乱する首の家など、どうやら廃墟の作品に惹かれるようだ(自己分析)。そして三部作の定番であるシリーズ通しての追跡取材の(死返 まかるかえし)というのも先が楽しみな感じです。岩澤&菊池コンビに戻ってから絶好調ですね。至急48&49を新作で借りてきます!そして一言苦言を言うなら(シリーズ監視カメラ)はもう要らないと思います。

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2012年8月14日 (火)

皮膚感覚で読む本(「化身」 宮ノ川顕)

第16回ホラー小説大賞を受賞してデビューした宮ノ川顕(みやのがわ・けん)さんの受賞作にしてデビュー作「化身」を読みました。タイトルになった受賞作品他「雷魚」「幸せという名のインコ」二作が収められた中篇集です。受賞作の「化身」は南のとある島にやってきた男が、カブトムシを探す為に入った森で深い穴に落ちます。そこは綺麗な水で溢れた場所で、運良く人が寝れるほどの小島がある場所。深さも深く壁もツルツルして登る事が出来ません。いつしかその場所で蟹や魚や貝を採り生活するすべを身につけ生き延びていきます。水の中の生活が長くなったせいか水かきが出来、エラ呼吸にも似た呼吸法さえも身につきます。そうです正しく化身となっていきます。しかし本当の変化はこの後起こるんです・・・。こんな感じの内容です。正直怖いかといわれるとそうは感じません。でも皮膚がざわざわ・ぬめぬめする感覚が這い上がってくるのは事実です。皮膚感覚でゾーッとする小説だと思います。他のに作品は良く出来た物語。世にも奇妙な物語に出てきそうな話しもあります。やはり突出しているのは受賞作でしょうか?この後ホラー作家というジャンルとは違う方で活躍の予感がする作家さんです。

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2012年8月13日 (月)

政治的な事は良く分からんが良いアルバム(「EL AAIUM EGDAT」 MARIEM HASSAN)

平和に暮らす私達とは違い、未だに世界中では紛争や民族闘争が沢山存在する。そんな虐げられた生活の中からも音楽や映画が生まれてくる。当然強烈なメッセージ性を持ったモノが多い。今回初めて聞いたアーティストが居ます。MARIEM HASSAN(マリエム・ハッサン)という西サハラの女性シンガーです。存在すら全く知らなかったんですが、ティナリウェンのブレイクで砂漠のブルースというジャンルが注目を浴びたお陰で、彼女はその女性版として紹介されていたので聞いてみました。確かにテイナリウェンに通じるモノあります。でも彼らよりはもっと政治色の強い事を唄っている感じがします。言葉が分からないので内容までは把握出来ませんが、力強い唄い方の端々から強いメッセージを感じます。そんな政治的なことを除いても充分カッコイイアルバムだと思います。第三国の音楽は普段刺激を受けない部分を刺激してくれるからやめられない。通常の音階で育った自分には考えつかないメロディーラインです。アルバムタイトルは「EL AAIUN EGDAT、EL AAUIN ON FIRE」と言います。邦題は「エルアイウンは燃えている」だそうです。

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2012年8月12日 (日)

アジアから凄い才能が!(「マカブル 永遠の血族」 モー・ブラザーズ監督)

年齢不詳のかなりインパクトのある女性の顔のパッケージのDVDを観ました。タイトルを「マカブル 永遠の血族」というインドネシアの映画です。監督はモー・ブラザーズという兄弟です。物語は若者5人が道路で一人の女性を拾った事から始ります。強盗に襲われたという女性が家まで送ってほしいという「願いを聞き一同は山の中の豪邸へ。そこに居たのは女性の家族。年齢不詳で美人だけど何処か不気味な女性主人ダエとその子供2人。お礼に食事を食べていってくれという言葉を受け食事をするのですが、その中に睡眠薬が入れられていて若者は監禁されます。さーそこからはB級ホラー定番のゴアシーンの連続。どうやらこの一家は人を拉致監禁してはその肉を喰らい、永遠の生命を得られると妄信した一族でした。その後は何とか逃げようとする若者達と狂った家族との壮絶な戦い。一人生き残った若者の女性と女主人ダエとの一騎打ちで大演壇!想像以上良く出来たB級ホラーでした。監督は過去の名作ホラーを相当好きで見ていたに違いないです。アジアから凄い才能が出てきました。今後楽しみです。でも今回のベストは女主人ダエ役の女優。彼女の演じた不気味なキャラはホラー映画史上の歴史に残るキャラですよ!

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2012年8月11日 (土)

恐怖は伝染する(「悲しみのミルク」 クラウディア・リョサ監督)

2009年のペルー映画「悲しみのミルク」観ました。監督はクラディア・リョサという人物です。この映画はベルリン国際映画祭で金熊賞をとり、その年のアカデミー映画外国映画賞にもノミネートされたそうです。早速鑑賞。舞台はペルーの田舎町。母親と二人で暮らす女性の物語。冒頭母親が唄で自分の過去に本当にあった話を聞かせます。ペルーが内乱だった時代、目の前で旦那が殺され、その上妊娠していた自分もレイプされたという恐怖の過去を歌にして娘に淡々と聞かせるシーンから始ります。そんな歌を子供の頃から聞かされ続けた主人公の女性は怖くて外に出ない生活をしていました。が母親が亡くなり埋葬する為にお金を稼ぐ必要がでて働きに出ます。しかし彼女にとって外の世界は恐怖の世界。様々な軋轢と闘う日々です。そんな中働く先の外国人の声楽家から歌を教えて欲しいと依頼されます。お金を稼ぐ為に教えだすのですが、最後に裏切られます。そして彼女は本当の意味で外の世界に踏み出しますという話し(かなり端折りました)。先ず一言。非常に重たい映画でした。世界中にはついこの間まで内戦や戦争が普通に存在していた国が多く、その恐怖たる物尋常ではない。現代の日本人にはまったく理解できない世界です。しかしそれが現実。ヒシヒシと感じられます。いいセリフがあったので書いておきます。(死だけは人間の義務だ。その他は自分の意思だ)とかく人間は自分の生活を恨みがちですが、総て自分の意思の結果。死ぬ事以外は自分で決めれるんです。深い言葉でした。

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2012年8月10日 (金)

あの日に帰れるとしたら?(「あの日にかえりたい」 乾ルカ)

乾ルカさんの最新作「あの日にかえりたい」を読みました。タイトルから私の世代以上はユーミンが未だ荒井だった時代の大ヒット曲を思い浮かべてしまいます。作者は意図的にタイトルをつけたのでしょうか?そこの所は良く分かりませんが、タイトルが示すように過去に遡る話が5話収められています。ひとつひとつの話の評価はしませんが、全体通しての印象は少しダークな朱川湊人さんというイメージ。つまりノスタルジックホラーという分野。個人的には昭和の風景が浮かぶので、やはりタイトルは意図的だったのかもしれません。表紙の帯びにこうあります。(むくわれない未来だと知っていても、生き続けるのは愚かなことだろうか?)と。これは非常に難しい質問ですね。人は未来が報われると想像するからツライ今が頑張れる。それが報われないと分かっていたら果たして生き続ける事が出来るだろうか?でも作者は報われた未来も報われなかった未来も同じテンションで物語にしています。その辺りが賛否両論分かれる点だと思いますが、私は結構好きです。ただ非常に面白く感じる作品とそうでない作品との差が激しい気がするのだけ残念でした。直木賞にノミネートされてたのは知りませんでした。でもデビューから応援している作家さんが認められるのは嬉しい事ですね。

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2012年8月 9日 (木)

偉大なる先人達に捧げた一枚(「back to the woods」 Chuck Leavell))

元オールマン・ブラザーズバンドの一員であり、1992年以降のローリング・ストーンズのサポートメンバーでもあるChuck Leavell(チャック・リーヴェル)の最新作「back to the woods」を聞きました。サブタイトルにこうあります。a tribute to the pioneers of blues pianoと。つまり偉大なるブルースピアノの先輩たちに敬意を称するアルバムだという意味です。その通りにリロイ・カー リトル・ブラザー・モンゴメリー オーティス・スパン レイ・チャールズ等の曲が並びます。そして嬉しい事にキース・リチャーズやジョン・メィヤーもゲスト出演しています!まーその辺りの名前を除いてもメチャクチャ渋くてカッコイイアルバムです。ブルースファンは当然聞きですね。もはやブルースは黒人と白人の壁を超えて居る気がします。白人でも好きでズーッと演奏している人間にはもう黒人のソウルに近いモノを感じさせる事が出来ます。まさにこのアルバムはそんな感じです。

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2012年8月 8日 (水)

笑いと恐怖は背中合わせ(「タッカーとディル 史上最悪にツイてないヤツら」)

最近ツタヤがツタヤだけレンタル出来ます!という作品を猛烈にプッシュしてます。そしてそのどれもが非常に面白そうな作品です。何本か観ましたが非常に惜しい作品ばかりです。ストーリーや展開は面白いんですが、オチが今ひとつという作品ばかりなんです。まーそうだからこそ日本未公開なんでしょうけどね。でもテーマや取っ掛かりは面白い作品が多いです。その中の一本「タッカーとディル 史上最悪にツイてないヤツら」を観ました。物語はB級ホラーにありがちな山奥の湖のあるキャンプ場。大学生の男女がバカンスを楽しみにやってきます。そこには古びた山小屋が有り、何とも怪しい男二人が居ます。当然学生たちはこの二人を怪しみます。その上過去にここで無差別殺人事件があったという事実。否が応でもこの二人は殺人鬼です。しかし実際は何でもない只の中オヤジ二人組みです。偶然溺れかけた女性を助け小屋に連れ込んだ事から大変な事が!拉致された勘違いした学生達が武器を手に救出に来ますが、運が悪い事に一人は木に串刺しなったり、木を砕く機械に躓いて飛び込んでグチャグチャになったりと死んでいきます。あくまでも偶然なのに、学生たちは彼ら二人が殺したと勘違いまします。その後はドタバタ、警察も絡んで更にとんでもない事態に、果たして結末は?まー兎に角笑えます。古典的なB級ホラーのパロディーも沢山盛り込まれ、もの凄く良く出来たホラーコメディーとなっています。本となら大傑作と言いたいところですが、後半失速。もっとハチャメチャでも良かったと思います。でも名作ホラーコメディーの一本には入れても良い出来栄えだと思いますよ!ツタヤだけ商品なのでアマゾンで取り扱い無しです。

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2012年8月 7日 (火)

まさしく小品(「さよならドビュッシー前奏曲(プレリュード) 要介護探偵の事件簿」 中山七里

昨年では一番のメッケモノ新人作家さん中山七里さんの最新作「さよならドビュツシー前奏曲(プレリュード) 要介護探偵の事件簿」を読みました。デビュー作にして大ヒット作だった「さよならドビュッシー」のタイトルがつけられているので、完全に音楽ものを想像していたら全く違いました。主人公は財力も権力もある老人。病気で車椅子生活になりました。そしてその世話をする為に雇われた中年女性。この二人がメインです。何故かこの二人の周りで事件や謎が生まれます。それを解決していく一話完結の連作短編集です。最後の話だけ「さよならドビュッシー」の登場人物も出てきて、その話に繋がるようになっています。言わばタイトル通り「さよならドビュッシー」の事件の前の話し。まー売れた本のタイトルをつける事によって売り上げが変ってくるのは理解出来るので仕方ないけど、何となくあざとさが見えて気持ちの良いものではないですね。そして話も過去の三作と比べるとドンデン返しもなく普通。主人公のキャラこそたっていましたが、他は普通。でも読みやすいのは相変わらず。なので小品という表現がピッタリだと思います。なのでファンは確実に読んでもよしですが、そうでない人はスルーで良いかもです。次作の長編に期待しましょう。

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2012年8月 6日 (月)

クールな夏JAZZ(「The Sweetest Sound」 STEFANIA RAVE)

今やJAZZの世界で一番勢いがあるのはイタリアといってもいいのではないでしょうか?理由は良く分かりませんが、ここ10年程前から新人でお気に入りはイタリア人が多いのは事実です。今回聞いたSTEFANIA RAVE(ステファニア・ラヴァ)という女性シンガーもイタリア人です。アメリカで修行を積み凱旋帰国して華々しくデビュー。そしてこの「The Sweetest Soud」がセカンドアルバムだそうです。ファーストは聞いてないですが、今回と同様イタリアジャズ界の仕掛け人の一人Paolo Scottiがプロデュースをしています。ジャケの印象からもう少し夜のイメージでした、どちらかと言えばブラジリアンテイストのカラッとした感じ。曲もジョーサンプルやスティービーワンダー。そして何とスライ&ザ・ファミリーの曲のカバーなんかもあり、モロJAZZという感じではないです。しかし演奏は紛れもなくJAZZ。そのアンバランスが心地よいです。彼女の歌声も驚くほど上手いとまでは行かないし、今流行のオーガニック系とも違う。どちらかというと泥臭い感じですが、黒人のコテコテさではなくクールです。なので夏に聞くにはむいているかも?久々のJazzアルバム。やはりたまにはJazz聞かないとね。

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2012年8月 4日 (土)

50年過ぎても影響力は大(「ハウスメイド」 イム・サンス監督)

カンヌ映画祭で話題だったイム・サンス監督の「ハウスメイド」観ました。この映画は1960年に作られた「下女」という映画のリメイクです。この「下女」という映画が凄い映画で、ロマン・ポランスキーやミヒャエル・ハネケ監督に多大な影響を与えたというカルトムービーなんです。既に50年以上経っていても世界中に影響を与えているというのは素晴らしい事です。さて出来栄えですが、中々良いのではないでしょうか?内容的には世間が煽るほど凄くはないですが、抑えた役者の演技とカメラワークが素晴らしい。あえて言うならヒッチコックの影響大といった感じでしょうか?韓国は財界人の影響力が政治にも及ぶそうで、その状況を皮肉った内容だそうです。韓国映画またまた恐るべし。

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2012年8月 3日 (金)

山が活きていない(「凍雨」 大倉崇祐)

山を舞台にした話を書き出してから一気にブレイクした作家さん大倉崇祐(おおくら たかひろ)さんの最新作「凍雨」を読みました。凍雨と書いて(とうう)と読みます。大ヒットした「聖域」、そして「生還」と山を舞台にした作品の三作目です(もしかしたら他にもあるかもです)。今回はミステリーというよりはダイハード並のアクション巨編です。山で死んだ親友の命日に、その妻と子供が供養の為登山。そしてその死のキッカケを作った親友も同じ日に山に。そしてこれまた偶然に、中国マフィアから薬と大金を奪った武装した犯罪組織8人程が山に逃げ込みます。その後は想像通りドンパチ殺し合いの連続。主人公である男は元自衛隊の特殊部隊出身。山での行動や銃器の扱いはプロフェッショナル。一人でどんどん犯罪集団を追い詰めますが、運悪く女性と子供が人質に。主人公は二人を助ける事が出来るのか?結末は?という物語です。まー想像するとおりの結末ですから何の新しさもないです。ワクワク感やドキドキ感は感じるシーンは多々ありますが、この手の作品は得意とする作家さんが他にも多く居るので平均点クラス。今回は山があまり活きていなかったのが残念。でもそれなりには楽しめます。何も考えずにアクションを楽しみたい方には最適。読みやすく分かりやすいです。

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2012年8月 2日 (木)

コテコテ(「Who’s Hurting Now?」 CANDI STATON)

CANDI STATON(キャンディ・スティトン)の最新アルバム「Who’s Hurting Now?」を聞いたぜ!ワイルだぜ!とスギちゃん風に言ってみる。正直彼女の昔の活躍は知らないのですが、今回大好きなダン・ペンが楽曲を提供しているとの情報を得て早速聞いてみました。これが実にいい。音は昔のゴスペルソウルそのまま。彼女の声も全然衰えずにハリも充分。そして何より楽曲とアレンジがいい!ソウル・ゴスペル・ブルースフアンにはたまらない音に溢れています。その筋の人はニンマリする筈です。そしてソウルを初めて聞く若者でも充分楽しめる音です。今のクラブでかけてもOKな程カッコイイです。懐かしくも楽しいアルバムを聞きました。お勧めの佳作ですね。

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2012年8月 1日 (水)

第51回日本酒の会開催決定!

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八月に入りましたね。

 恒例の日本酒の会の開催が決まりましたのでお知らせです。

 日時 8月19日(日) ①18時~20時30分 ②21時~23時30

 来店蔵 広島県東広島市西条にあります亀齢酒造

 会費 8500円(季節の創作料理コース・秘蔵のお酒8種類・税込み)

 場所 愛知県豊橋市宮下町14 日本酒専門店「天に月、地に山」

 連絡 メール又は電話(0532-64-3231)

どなた様でも参加できます。日本酒に詳しくない方でも楽しめます。

ぜひぜひ皆様参加ください!

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