« 悪くはないですが、マンネリは否めない(「投稿されてきた!呪いの心霊映像4」) | トップページ | 世界中の憂鬱を集めたような音楽(「Absence」 Melody Gardot) »

2012年7月 6日 (金)

久々のしをん節炸裂(「舟を編む」 三浦しをん)

本屋大賞で話題の三浦しをんさんの「舟を編む」読みました。この年の本屋大賞は「ジェノサイド」が絶対取ると思っていたので、もしかしたら出版社が裏から手を回したかな?なんて疑念を持ってました。前情報で辞書を編集する話と聞いていたんですが、全くその通りの話でした(笑)。主人公は真面目だけが取り得の青年。突如営業から辞書の編集に部署を変更させられます。何も知らない状況から辞書を完成させるまでの紆余曲折の物語です。普段知る事が出来ない辞書編集の話は地味だけど非常に興味深い話でした。久々にしをん節が炸裂してました。辞書作りに対してこう言います。(どれだけ言葉を集めても、解釈し定義づけをして、辞書には本当の意味での完成はない。一冊の辞書にまとめる事が出来たと思った瞬間に、再び言葉は捕獲できない蠢きとなって、すり抜け、形を変えていってしまう)まさしく言葉は常に変化しているんです。そしてそんな辞書を編集仕事をしている自分たちをこう表現する。(言葉ではなかなか伝わらない。通じ会えないことに焦れて、だけど結局は、心を映した不器用な言葉を勇気をもって差し出すほかない(中略)言葉にまつわる不安と希望を実感するからこそ、言葉がいっぱい詰まった辞書を、熱心に作ろうじゃないだろうか)辞書の持つ、いや日本語の持つ役割を最大限に活かす為に、私達の知らない所で奮闘している人が居る。地味だけで必要な仕事をしている人にスポットを浴びせる小説。素晴らしい。疑念は吹き飛び、凄い良い小説でした。初期のしをんさんの作品の感動と同レベルの感動があった名作でした。

|

« 悪くはないですが、マンネリは否めない(「投稿されてきた!呪いの心霊映像4」) | トップページ | 世界中の憂鬱を集めたような音楽(「Absence」 Melody Gardot) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 久々のしをん節炸裂(「舟を編む」 三浦しをん):

« 悪くはないですが、マンネリは否めない(「投稿されてきた!呪いの心霊映像4」) | トップページ | 世界中の憂鬱を集めたような音楽(「Absence」 Melody Gardot) »