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2011年11月19日 (土)

計算出来る未来なんて存在しない(「おやすみラフマニノフ」 中山千里)

このミス大賞で華々しくデビューした中山千里さんの最新作「おやすみラフマニノフ」を読みました。既読の二冊が本当に面白かったので期待度大で読みました。デビュー作と同じく音楽をベースにしたミステリーです。今回の舞台は音楽大学。主人公はバイオリン弾き。探偵役となるのは才能あるピアノ講師。名誉ある音楽祭を前にして様々な事件が起こります。果たして犯人は?そしてその目的は?といった感じの内容です。でも今回は余りミステリーの要素は薄く、最後のドンデン返しも左程驚くほどではありませんでした。でも散りばめられた言葉は今回も印象に残ります。例えば(信用と信頼は似て非なるもの。信用はその人の性格に関する事で、信頼は能力に対する事(中略)仕事で優先するのは信頼。信用じゃない)とか、(毎日はさ、実は取捨選択の連続なんだよね(中略)その幾つもの選択の集約が現在につながっている。そして大抵の人間は不器用で何かを選択したら、それ以外のものを捨てなければならいなようになっている。その捨て去ったものに責任を果たすためには、選んだものを大事にするしかない)です。両文とも思わず唸ってしまう程納得です。現在の人生は幸福であれ不幸であれ総て自分で選んだ結果。捨てて来た多くの夢や想いの為にも今の人生を楽しく生きる必要があるんですね。そして作者はこうも言います。(計算出来る未来なんて存在しない)。思い通りに行かなくて人間は皆悩みますが、そもそも自分が勝手に計算した未来なんて存在してないんです。なので思い通りに行かなくて当然。そう思えば幾分か気分も楽になりますね。中山さん流石の文章です。次回作も期待しています!

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