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2011年7月 8日 (金)

コジマの声は6Bみたいに素敵な声だ(「ヘヴン」 川上未映子)

川上未映子さんの「ヘヴン」読みました。話題の人物で、その上話題作でしたが、天邪鬼な私はリアルタイムの時には目もくれず、世間が冷めた今頃になって読みました。物語の核は二人の中学生。男の子は斜視で女の子は両親の離婚で暗い生活送っています。二人に共通している事は、クラスで過酷な虐めにあって居る事。偶然か必然か分からないが、この二人が影で合うようになります。でも学校では話すところか、目さえ合わせません。その二人の数ヶ月を描いた小説です。物語として何かもの凄い事は起こりません。日々苛められる少年が独白し考える様が時につぶやきのように、時に哲学的に語られていきます。正直ストーリーテラーではない気がしますが、良い言葉沢山ありました。例えば「机も花瓶も傷ついても傷つかないんだよ。でも人間は見た目に傷かつかなくても、とても傷つくと思う」とか、「言葉でああだこうだ話して、それでもなんだかんだ問題を一杯作って色々やっているのがこの世界で人間だけだなんて、考えてみればちょっと馬鹿みたいだね」と、語っている。人間の真をついた言葉だと思います。その上でこう言います。「何かに意味があるなら、物事の全部に意味はあるし、ないなら全部に意味は無い」これって結構深い言葉ですよね。読了後の印象はこの小説は読むのではなく、感じる小説だと実感しました。判断が難しい作家さんなんで、もう一冊読んでみます。

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