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2011年3月18日 (金)

一度でもプロを目指したバンドマンなら目から鱗(「ウエスト・サイド・ソウル」 花村萬月)

花村萬月の新作「ウエスト・サイト・ソウル」を友人からお借りして読みました。結婚してから毒気の薄れた萬月作品ですが、今回も全体の味付けは色んな意味で薄味です。でも今回はバンドマン(ブルースマン)の話なんで、個人的には結構最後まで楽しめました。学校不登校の上やりたい事も何もない主人公は、ある日同級生の女の子からギターとブルースを教えてもらいます。それが運命の出会いとなりのめり込みます。指が裂けるまでギターを弾き、生まれもったセンスでメキメキ腕が上がっていきます。その過程で自分の生き方、離婚した両親の事など、成長し乗り越えていく青春譚です。非常に爽やかな小説で萬月ファンは驚くと思います。まーこんなのもありでしょうか?内容は薄いですが、御自身もギターを弾く萬月氏だけあって、音楽に対する的確なコメントが多く納得させられました。例えば「ジャストビートでもこうしてブルースフィーリングが横行するのだ。まさに音楽は一筋縄ではいかない。そしてブルースは何処にでも隠れている」とか、「不安や劣等感やなんやかやのマイナスちゅうもんはな、とことん治め込んでおくとやな、表現のガソリンになるんや。表現の爆発になる」なんかは、正に音楽をやっている方には納得の言葉ではないでしょうか?そして極めつけはピアニストの母との会話です。「お母さん、正解って人の心を打ちますか?」「間違って笑われるよりはいいでしょう」「僕を置いて家を出たお母さんを誰も笑いません。生きること、人生というんですが、試験みたいに答えが一つやったらええんですけど・・・。」この会話には一瞬息が止まりました。正解は人の心を打たないんです。間違っていても想いが伝わる事がある。正に人生と音楽は似ているのかもしれません。萬月小説としては50点かな?また説教を聞きたいですね。

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