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2011年2月18日 (金)

所詮人の世は幻(「完全なる首長竜の日」 乾緑郎)

このミス大賞を受賞してデビューした乾緑郎(いぬい・ろくろう)さんの、「完全なる首長竜の日」を読みました。読書友達の友人からお薦めだから読んで!と薦められたので、新作にも関わらずお借りして読む事が出来ました。文字も大きめの本なんで2時間ほどで読了。先ずの印象としては、昔観たSF映画の色んな要素が沢山継ぎ接ぎで出てきた感じはもの凄くしました。作者も必ずその辺りのSF映画に影響は受けているに違いありません。なので読んでいると映像が結構リアルに浮かんできます。物語自体は決してもの凄い話ではないですが、作者が語る生と死に感する哲学が読みどころであると感じます。不思議と直ぐに最大の謎も分かってしまい、驚きは無かったです。でも語られる言葉に才能は感じます。例えば「思い出のある土地は行かないのが一番だ。心の中の風景は、現実のそれと出会うと途端に色を失ってしまう」とか、「人の死とは、その人を覚えている人が誰もいなくなった時に完成するものだ」などのセリフにはハッとさせられます。所詮人間はおぼろげな記憶の中で一喜一憂してるだけなのかもしれません。「胡蝶の夢」やカフカの話も多用しています。幻のような人生なら楽しく生きた者が幸せですね。今後の活躍を感じさせる才能ある作家さんだと思います。

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