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2010年12月17日 (金)

罪は一生拭えないものなのか?(「さよなら渓谷」 吉田修一)

「悪人」が映画化され大ヒット。観てないですが評判はいいみたいですね。でも原作はそれ程良かった印象がない(事実このブログでもそう書いている)。まー前評判と言うか、期待値が高い状態で読んだと言うマイナス点もありますが、それを差し引いてもちょっとガッカリだった事を思い出します。その「悪人」の後に書かれた「さよなら渓谷」を読みました。タイトルからは一体どんな話しなのか想像出来ませんね。ミステリーなのか?恋愛物なのか?でも帯びに(悪人を凌ぐ傑作)というようなコピーが!とりあえず100円で見つけたので読んでみました。物語は古びた市営(県営?)住宅から始まります。どうやらこの住宅に住む母子家庭の母親が自分の子供を誘拐にみせかけて殺したらしい。外には報道陣が沢山居ます。その模様を窓からとTVで眺める、隣に住む夫婦らしき男女。何処にでも居そうな普通の生活が描かれています。てっきりこの子供殺しの話がメインかと思うと肩透かしを食らわされます。本筋はこの隣に住む男女です。彼らは過去に物凄い業を負っています。それはレイプ犯とその被害者なんです。何故その二人が今夫婦のような顔をして一緒に生活しているのか?ひょんな事からその事に気づいた新聞記者が、彼らの真相に迫っていきます。果たして物語りはどう転がっていくのか・・・。という感じの内容です。テーマは非常にいいです。でもこれだけの重いテーマにしては短すぎる。なので書ききれてない印象が強いです。惜しい!もっとじっくり書いてくれたら、確かに「悪人」よりも良い作品になったかもしれません。でも「悪人」にしても、この作品にしても主人公達がとる行動には何か納得いかないというか理解出来ない。この点がしっくりこない点ではないかと思います。筆力は流石の吉田修一さんですが、まだ頂点は迎えてない気がします。

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