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2010年10月21日 (木)

原点回帰ではあるが、ちょっと物足りない(「キュア」 田口ランディ)

「特別な力は誰もが憧れる。そして誰もが憧れる力をもつ者は、いつかは憎まれる」非常に印象深い言葉が書いてあった本を読み終わりました。田口ランディさんの「キュア」という一冊です。田口さんの本は何度もここで紹介しています。何故だか感性が物凄く合うんです。物語がどうとかではなく、散りばめられた言葉の数々に何時もひっかかります。ここ最近はエッセイや短編しか読んでなかったので、久方ぶりの長編です。初期の三部作以来かもしれません。全体的の手触りとしては初期作品に少し戻った印象です。しかしあれほど異質で破壊力のある作品ではなく。現実に立脚した上でのランディ節に変わった気がします。主人公は実力のある医者。西洋医学を駆使して手術をし病気を治してます。しかしある日自分には特別な力があるのに気づきます。初めはそれを受け入れなかったんですが、同じ様に不思議な力を持つ看護婦や、以前自分が治療した患者との恋愛で力を認め自分の道を見つけていきます。そして自らもガンである事が発覚するんですが、西洋医学的治療を拒否します。彼の行き着く結末は・・・。といった感じの内容です。先ほども書きましたが個人的には物語の内容よりも言葉に惹かれるので、ストーリーはそれ程重視してないんですが、それを差し引いてもちょっと物足りなかったかな?でもやはり引っかかる言葉は多々ありました。最後に一つ書いておきます。「思い出して海で生きていたことを、魚だったとき、あなたは水を意識できたかした(中略)魚が溺れることがあるかしら(中略)あなたはただ存在するだけで宇宙とエネルギーを交換している。最初から宇宙の一部なの(中略)もがかないこと。もがくと溺れる。あなたはもともと泳げるのだから、そのままでいいよ」いい言葉ですね。現在の日本人は皆もがいている。だから溺れていく。自然にしていれば普通に生きていける。他人と比べたり頑張りすぎてもがくから溺れる。そのままでいんです。

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