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2010年9月 2日 (木)

さりげなく”死”に寄り添った作品(「神様のカルテ」 夏川草介)

2010年本屋大賞2位の夏川草介さんの「神様のカルテ」読みました。如何にも本屋大賞が好きそうな泣かせ系の話の香りがプンプンします。なので自分で買うことは無いんですが、お客さんからお借りしました。読みやすく文字も大きめなんでサクッと2時間ほどで読了しました。物語は日々死を真近に体験する医者が主人公。医者が死に行く人に何が出来るのか自問自答する場面が沢山出てきます。一方オンボロで変人ばかりが住む、主人公の住むアパートの住人との交流もイキイキと描かれています。この二本柱で話が進む、連作中篇三作が収められています。作者にとってデビュー作のようなんで、正直傑作といえるレベルではないです。まだまだ消化不良というか、書ききれて居ない感はバリバリです。しかし変てこな住人のキャラ設定や、時折出てくる死に対するセリフなどにはドキッとさせられます。例えば「もとより寿命なるものは人知の及ぶところではない。最初から定めが決まっている。土に埋もれた定められた命を、掘り起こし光をあて、よりよい最期の時を作り出していく。医師とはそういう存在ではないだろうか」病気を治す事が仕事のような医師ですが、本当は人間の力では何ともならない事が殆どな気がします。そう考えれば作者が言うように、治すのではなく、よりよい最期に導いてやる事も医師の仕事なのかもしれない。納得しました。完全に続編で続く作品みたいだし、作者の力量もドンドン伸びて行きそうな予感です。今後に期待大!

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