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2010年8月14日 (土)

貨幣は人間の作り出した妖怪(「悪貨」 島田雅彦)

沈み行く日本国という船。何時からこの国は舵を間違いだしたんだろう?勿論戦争に負けた事が一番でしょうが、それ以外で考えると戦後の経済優先の国造りから実は徐々にずれていたんでしょう。その結果20年ほど前にあったバブルという頂点を迎え、名目上は世界で一番の経済大国という称号は得ました。しかしその称号でさえ今やジリ貧。その船から我先に逃げ出そうと、ここ数年更にお金だけを求める輩が増えてきています。騙してでも金を得て一抜けしたら勝ち組。それが今の日本のトレンドです。恐らく人間が自ら生み出したもので、自分達でコントロール出来ていないのが貨幣ではないでしょうか?(まー本の一握りの世界経済を動かしている人達は別ですが)。さてそんな貨幣を題材にした本を読みました。島田雅彦さんの「悪貨」です。謎の偽札を巡り、女性刑事・偽札つくりの天才・そして身元不明の偽札つくりの組織を纏める日本人が複雑に絡み合っていきます。そこに少し前に話題になった円天のようなバーチャルな貨幣を流通させるコミュニティーも絡んで、物語の方向は何処に向かうのか読めない程、あらゆる方向に向かっていきます。この辺りまでは面白いんですが、後半破綻。これだけ風呂敷広げたら余程力量がないと纏められないじゃないかと不安に思っていたら、見事的中。で結局何が言いたかったんだろう?とモヤモヤの残る読了感です。偽札造りの醍醐味とコンゲームの楽しさを合わせた名作「奪取」(真保祐一)を読んでいる人間には底の浅さをどうしても感じてしまいます。島田雅彦さん初読でしたが、今ひとつの印象でした。最後の印象に残った言葉を書いておきます。「カネは使わなければ只の印刷物だ。ホステスのセクシーポーズが刷ってあるうちのチラシと同じだ。だがひとたび使い出したらいろんなものに化ける」まさにその通りですね。そう思うと貨幣は人間が作り出した最大の妖怪ですね。一人納得。

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受信: 2010年8月15日 (日) 18時12分

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