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2010年7月29日 (木)

新世代の文体(「身の上の話」 佐藤正午)

佐藤正午さんの「身の上の話」を読みました。何と佐藤さんの本は初体験です。名前は勿論知ってましたが、青春小説?みたいな印象があったので避けていた作家さんの一人です。しかしここ最近、作風が大人向けになったとの噂を聞きました。そのターニングポイントとなったのがこの本と聴き、古本屋で見つけたので早速読んでみました。主人公の女性は仕事のある昼休みに不倫相手をバス停まで見送りに出かけます。皆には歯医者に行くと嘘をついて。その際に宝くじを頼まれたので、仕方なく皆の分とおつりで一枚多く買います。普通ならそこで店に帰って何事も無く終了なんですが、何となく彼氏について東京まで行ってしまいます。初めは二~三日のつもりが、帰るタイミングを逃しズルズル過します。しかし貯金もなくなりかけたので帰るしかないと考えた時に、(想像つくと思いますが)何と宝くじが当たっていることに気づきます。ここから一気に悪い方へ流れていきます。殺人や裏切り、そしてその事で分かる今まで全く知らなかった事実の数々。淡々と始まった物語は、驚くべきスピード感で展開していきます。そして全く想像のしなかったラストに向かっていきます。ミステリーかどうかといわれると?マーク付きますが、謎がドンドン分かっていくという点ではそうかもしれません。初体験しては良い本選んだ気がします。しかし不満点も多いのは事実。これ以上に評判が良い作品あるようななので引き続き探してみます。「悪人」で話題になった吉田修一さんの「パレード」を読んだ時の読量感に似ているかな?最近の若者をリアルに描くと、何か血が通って無いのは似てます。新世代の文体なんでしょうね。

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