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2010年6月19日 (土)

持ち味とするかマンネリとするか?(「ブルーローズ」馳星周)

馳星周さんの「ブルーローズ」を読みました。2年位前に下巻は100円で見つけてあったんですが、上巻を100円で見つけるまで2年かかりました。我ながら恐ろしい執念です。さて上下巻が目出度く揃ったので暇に格好つけて一気読みしてしまいました。相変わらずの読みやすさは流石だし、冒頭から何の説明も無く物語りに引き込んでいく技量は感心させられます。今回の主人公は元警察官で現在探偵をする男。警察上部の一人娘が謎の失踪をし、その捜査の依頼を受ける事から物語りは始まります。失踪した娘はバラを育てる事が趣味だった事から、バラ仲間の奥様達から話を聞くことになります。既にその段階でこの集団にはバラ栽培以外に何か謎がある事がプンプン匂って来ます。絶対に造る事が出来ない青いバラ(ブルーローズ)という名前を持つSM売春グループの存在が直ぐに浮かび上がります。どうやら失踪した娘はその一員で、客には各界の大物が多数いると分かります。失踪の原因はそこにある事は直ぐに分かるんですが、その時点から様々な横槍が入りだします。警察・公安・SM店のオーナーなどがくんずほぐれつ絡み合っていきます。その過程でSMの世界をのぞき見てしまった主人公は、元来持っていたサドの気質が覚醒してしまいます。そうなると後半は怒涛の馳節。ジェットコースータのように人格が壊れ、人が次々と殺されていきます。下手なハリウッド映画よりありえないラストを迎えます。お腹一杯。楽しめました。しかし何か新しい点が何かあるかというと何も無いです。これをマンネリとするのか?持ち味とするのか?は水戸黄門の印籠の議論をするのと近い気がします。ファンの方は必読でしょうが、それ以外の何冊か既に読んだ方には無理にはお薦めしません。そんな感じです、はい。

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