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2010年5月 1日 (土)

戦争の真実(「永遠の0」 百田尚樹 )

小説「ボックス!」が好評で映画化までされた百田尚樹さんのデビュー作「永遠の0」を読みました。特攻隊の話と分かっていたんで、戦争小説が余り好きではない私は今まで読むのを避けていた一冊でした。しかし古本屋のセールで五冊買えば半額というセールで何となく購入しました。正直つまらなければ途中でやめてもいいや位の心持で読みだしました。案の定始めは退屈でした。戦争は忘れてはいけない歴史であるのは違いないですが、やはり戦後生まれの私の世代には今ひとつリアル感を持って感じる事は日々少ないです。その距離感が戦争物の小説から私を遠ざけます。しかし読み進めるうちにグイグイ世界にはまり込まされました。物語の大筋はこうです。特攻隊で戦死した祖父の話を生き残った戦友に、孫の二人が聞いてまわるという話です。その過程で浮かび上がる特攻隊の現実と祖父に隠された謎がメインテーマです。勿論フィクションですが、特攻隊や戦争の話は史実を元にして書かれているのでリアル感あります(ラストに記述してあるおびただしい程の参考文献をみれば分かります)。歴史書だとどうしても高いところからの目線(国家レベル)の話ないなるので興味がないのですが、この物語は一人一人の青年の視点で書かれています。国の為に死んでいったと教えられた私達も、実は殆どの特攻は愛する人や家族の為に死んでいった事実を知らされます。後半は涙が止まらなくなります。戦争反対とか大きなことは言えないですが、人が生きるという事をこれほど生々しく感じさせてくれる小説は珍しいです。百田尚樹さん初読でしたがファンになりました。今後も見つけたら必ず読みたい作家さんです。

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