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2010年5月15日 (土)

心の病(「病の世紀」 牧野修)

牧野修氏の「病の世紀」を読みました。タイトルから現在の日本の状況を指す言葉かと思っていたんですが違いました。そう勘違いするほど、今の日本人は皆病気を抱えている。勿論昔に比べて生活が不規則であったり、口にする食事も健康的でなくなったという事実はあります。しかし一億総持病持ちみたいな雰囲気はどうかと思う。TVなどの情報鵜呑みにすると、何かしらの病気の予備軍みたいな感じに総ての人間がなってしまう。逆言うと今の日本は態々病気を探し続けている気がします。健康依存症と言う病気に陥っているでしょう。話はそれましたが、この本は本当の病が出てきます。前半は人体が自然発火する黴や、動物の牙様に歯を伸ばす寄生虫などの本当の病の話が中心。後半はそういった奇病を業と人間界に振り撒く、マッドサイエンス的な心の病の話が中心となります。SFホラーミステリーというジャンルでしょうか?特別面白かった感じはないですが、この手の話が好きな人には及第点のレベルだと思います。内容よりも宗教に対する作者の認識の言葉が感銘を受けたので書いておきます。「宗教というものは大きな力を持っている。悩めるもの。恐れるもの。悲しむもの。その誰もが慰めとなる回答を求めてる。あるはずのない回答をね。ところが宗教は長い時をかけて、ないはずの回答を与える技術を洗練させた。その結果、不在の回答を得た気持ちにさせるための高等な技術を生み出した。宗教的な物語はマインドコントロールに優れた装置となりえるんだよ」どうですか?真理をついている言葉ですよね。この一文を読めただけでも、この本を手に取った価値はありました。

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