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2010年4月 8日 (木)

変化がなく動かない状態は死にちかい(「モダンタイムス」 伊坂幸太郎)

伊坂幸太郎の最高傑作と誉れが高い「モダンタイムス」を要約読みました。才能のある作家さんだとは思うのですが、今ひとつ自分に合わないので、何時も辛口評価です。しかし友人がこの作品は絶対に面白いから!と強力お薦めしてきたので読んでみました。この物語は珍しく週間漫画「モーニング」に連載されてたそうです。そして後書きには「魔王」の続編とあります。「魔王」は読んでいるはずですが記憶が殆どありません・・・。さて1200ページに超大作を読み始めました。確かに何時もの伊坂節とは少し違う感じます(所々は完全に何時もの伊坂節ですが)。これが意識的なのか無意識なのか分かりませんが、個人的には大歓迎です。余りにも何時も同じ感じなので正直うんざりしていたんです。物語はミステリー色もありますが、犯人探しが主ではなく、伊坂哲学を楽しむ感じでしょうか?タイトルからまさか?とは思っていましたが、チャップリンの映画「モダンタイムス」がテーマになっています。所詮人間は大きな流れの歯車の一つでしかなかく、大きな野望や動きの前では小さな個人は撲殺されるというテーマが浮き彫りになってきます。伊坂フアン方々には意外に評判が良くないそうですが、私は今まで一番良かった気がします。さて印象深い言葉が幾つかあったので紹介します。「動物や国家にとって一番回避すべきことは停滞だ。変化がなく動かない状態は死に近い」この言葉には今の自分に置き換えてドキッとさせられました。「誰もが自分のためだけに動いている。それで世界は進んでいく。そういうもんなんだ」まさにその通り。今の日本の政治家見ているとズバリですね。「どんな人間でも毎日先生先生と呼ばれていたら絶対に歪むんだ。学校の教師・医者・代議士・弁護士・作家みんなそうだ。先生と言う言葉にまとわりつく胡散臭い上下関係が人を傲慢にする。謙虚さを奪っていくんだ」これもその通りですね。自らの職業である作家を入れているあたり、伊坂氏のアイロニーを感じます。結局答えは出ていない気がしますが総じて面白かったです。久々に満足の伊坂作品でした。もしかしたらラッシュライフ以来か?余談ですが作中に出てくる検索ワード「播磨崎中学校」「安藤商店」「個別カウンセリング」などのキーワードを、物語と同じ様に繋げて検索すると出会い系サイトに繋がります。この辺りのお遊びは講談社上手い!一度お試しあれ。

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