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2010年4月30日 (金)

作者9年ぶりの渾身の作(「魔法使いの弟子たち」 井上夢人)

本日も発売一月も経たないホヤホヤの新刊紹介します。井上夢人さんの9年ぶりの長編「魔法使いの弟子たち」を読みました。タイトルから想像するとハリーポッターみたいなファンタジー系かと思っていたんですが、想像とは全く違う話で驚きました。物語は唐突に始まります。主人公の一人である記者が偶然居合わせた研究所で何か事件があった事を察知するシーンから始まります。どうやら何かバイオハザード的な事が起こったらしい。研究所は閉鎖されモノモノしい警備がひかれます。情報を得ようと奔走する先でもう一人の主人公である一人の女性に出会います。話を聞くと閉鎖された研究所に彼氏が務めているとの事。これはチャンスと思い、喫茶店で話を聞く事にしたのですが、彼女もウイルスに感染している事が分かり、二人とも隔離されててします。怒涛のオープニングです。流行のバイオハザード系の話か?と勝手に思っていたら物語は全く違う方向に向かいます。メインとなる話がスタートするのは、主人公が昏睡から目覚めた時です。ウイルス感染した後、主人公は昏睡状態に陥り何ヶ月も眠ったままで、その間世の中は未知のウイルスが猛威を振るい、多くの死者を出したが今は終結に向かっている事を知ります。そして生き延びた事が奇跡だと言われます。同じ様に彼女ともう一人の老人も感染しながら生き延びた事が分かります。そしてこの三人には感染後不思議な超能力が身についています。人の過去や未来が見えたり、物を手を使わずに移動させたり、老人は何故かドンドン若返っていきます。自分達の変化に戸惑いながらも、時間が経つにつれそれを受け入れるようになっていきます。この時点でどんな展開ないなるのか想像が付かないのですが、物語はまたここで急展開を迎えます。彼らが力を持った意味が後半の展開で判明していきます。果たして結果は?という感じの内容です。いや~タイトルからは全く想像できなかったし、読んでいても二度ほど矛先が変わり、ちゃんと完結できるか?と読み手が側が心配に成る程でした。しかし流石井上氏、きっちり纏めてきました。細かい点では突っ込み所満載ですが、充分合格点だと思います。フアンの方は9年待った甲斐はあるのではないでしょう。只タイトルは違った方が良かったのではないかと思います。もう少しバッチリのタイトルがあった気がします。医療の知識を持った方の書いたリアル小説も面白ですが、多少の嘘があっても筆力でグイグイ読ませる小説も面白いものだと再確認しました。

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