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2010年4月29日 (木)

壮大な物語の回答編(「1Q84 BOOK3」 村上春樹 )

もう何も説明のいらない程馬鹿売れしている村上春樹氏の「1Q84 BOOK3」を読みました。ホカホカの最新作ですがお客さんいお借りできました。BOOK1と2の内容を殆ど憶えていない状態だったので大丈夫かなーと心配でしたが、読み始めたら記憶がドンドン蘇り全く問題なかったです。というか村上氏がそれとなく文中に前の作品のあらすじを入れてくれているといった感じの方が強いです。前作が出た時からBOOK3の話はあったので予定通りの発売でした。今作は壮大な世界を総て詰め込んでラストでも何の解決もされないまま終了した前作の解決編といった内容でした。なので世界観を楽しんだ前作とは違い、割と早足で謎解きをしていくといった読了感でした。前作と今回の最大の違いは、前作が青豆と天吾の章だけだったのが、今回から奇妙な風体をした探偵の牛河という人物の章が加わった事です。勿論前作にも教団の側の人間として青豆の側に現れてはいたのですが、まさかここまでの役割を与えられるとは思いもしませんでした。でも考えてみれば今作が解決編とすれば、詳細に謎を調べてくれる探偵役は必然として必要になってきますよね。そう考えれば納得以外のなんでもありません。物凄く読みやすかったです。印象に残った言葉を書いておきます。(実際には時間は直線じゃない。どんなかっこうもしている。それはあらゆる意味において形を持たないものだ。でも僕らは形のないものを頭に思い浮かべられないから便宜的にそれを直線として認識する。そういう観念の置き換えができるのは今のところ人間だけだ)時間に対する面白い概念だと感じました。また(人生とは単に一連の理不尽な、ある場合には粗雑きわまりない成り行きの帰結に過ぎないかもしれない)と一般の人間の人生を成り行きとしておいて、物語の青豆と天吾の出会いを成り行きと言う概念に治めない点が村上氏らしいなーと納得しました。解決編とは言いましたが、解決されていない点も多々あるのでBOOK4もあるのかもしれません。ひとつだけ不満があるとしたら、謎のNHK集金人(天吾の父と思わせていますが)の登場の意味が今ひとつ分からなかった事です。その部分だけイライラが残りました。

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受信: 2010年4月29日 (木) 10時53分

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