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2010年2月20日 (土)

僕は変態だけどまやかしじゃない!(「愛のむきだし」 園子温監督)

要約園子温監督の「愛のむきだし」を観ました。観たくて仕方なかったんですが、237分という時間がまるっと取れる日が中々都合がつかなかったんです。たかが4時間ですが、されど4時間です。さてこの問題作ですが、先ず観終わって思うこと。園監督はやはり日本では受け入れ辛い才能だという事です。キリストや宗教というテーマをここまでリアルにまたちゃかした映画を撮る感覚は日本人には中々出来ないと思います。そしてその描き方も正にむきだしです。何のオブラートもかけてありません。特にリアルなのが前半。普通の映画なら端折る詳細をわざわざしっかり映像化しています。多少長いと感じる部分はありますが、主人公が夢見たマリアと出会うまでの部分は最高です。バックには永遠とボレロが流れ、物語の始まりの予感を否が応でも盛り立てられます。そして怒涛の後半戦へ。じっくり描いた前半とは打って変わって、後半はスピーディーに話は展開してきます。ここではゆらゆら帝国の音が流れ続けます。インチキ宗教の洗脳。この部分だけ私は少し物足りなさを感じましたが、園監督にとってはどうでも良かった事なんでしょう。リュック・ベッソンの傑作(レオン)のラストシーンのように、クラッシック(愛のむきだしはベートーベンだと思いますが)が荘厳に流れるシーンで後半の山場を向かえ、終わってみれば壮大な恋愛劇として終わります。あれだけのテーマをぶち込んで、このゴールに持ってくる感覚は日本人には中々居ないと思います。正に園監督にしか撮れないむきだしの映画です。映画の方法論としては、「紀子の食卓」と全く同じです。リアル感と息詰ませる感覚は、やはり「紀子の食卓」に軍配があがりますが、エンターティメント性は「愛のむきだし」の方が何倍もあります。でもこうじゃなきゃ園監督は。正直「ちゃんと伝える」や「気球クラブ、その後」は私には全く満足出来る作品ではない。あの系統の映画はもっと上手に撮れる監督が他にも山のように居ます。なのでその人達に任せればいいんです。園監督には園さんにしか撮れない映画をこれからは撮ってもらいたいです。いよいよハリウッドデビューも決まり、世界に目をむけた園監督。応援してます。主人公のユウが劇中こういいます。「僕は変態だけどまやかしじゃない」と。これは監督自身の言葉ではないでしょうか?こんな映画を撮る人はきっと変態に違いないです(リアルにお会いしたことありますが、まだそこまで突っ込んで話してないので真偽は分かりませんが)。でもむきだしなほどリアルな人です。次の作品が楽しみです!

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