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2010年1月 9日 (土)

まーこんな作品もたまにはありだと思う(「殺気!」 雫井脩介 )

雫井脩介さんの最新作「殺気!」をお客さんから早速お借りする事が出来ました。感謝。「犯人に告ぐ」「クローズドノート」で大ブレイク&映画化もされた雫井さんですが、その後の作品は少し低迷をしている気がします。何か自分が何を書きたいのか模索しまくっている感じです。警察モノがブームだからか書いた「ビターブラッド」はドッラケ、ミステリー色と純文学色の強かった前作「犯罪小説家」は個人的には好きな手触りだったんですが、今ひとつ自分の物にしていない感は否めませんでした。そして待ちに待ったこの新作は、作者初の青春ミステリーです。今までにそれ系の小説を書く印象が無い作者だけに驚きでした。女子高生の主人公の住む小さな町で起こった過去の事件。過去の記憶を封印していた彼女ですが、とある事がきっかけで記憶が少しずつ蘇ります。そして彼女には何故か殺気のオーラを感じ取る力があり、常に危険を察知し寸前の所で回避する能力があります。その力を駆使して、隠された過去の事件の謎を解いていきます。さて彼女の過去に何があったのか?という感じの物語ですが。このミステリーが実に爽やかで軽快な文体で書かれています。ネットでは結構酷評されています。「これが犯人に告ぐを書いた作者なのか?」と。確かにあの作品と比べれば相当落ちます。しかし意外にも私はありだと感じました。雫井さんの作品はオチが結構強引な終わり方が多く、その辺りは何時も納得いかなかった印象ですが、今回はそれが無かった気がします。それでもありという評価だけで、やはり人にお勧めする程の出来栄えではない気がします。次作に期待です。

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