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2010年1月10日 (日)

希少な存在だからこそ、少し物申す(「天国の扉」 沢木冬吾)

現代の文学界で数少ない重厚なハードボイルド小説を書ける稀有な作家沢木冬吾さんの「天国の扉 ノッキング・オン・ヘヴンズ・ドア」を読みました。全725Pの超大作です。沢木さんは1999年に「愛こそすべて、と愚か者が言った」にデビューしてから現在まで4冊の本が出ています。毎月のように新作を出す作家も居る時代なので、かなりの遅筆な作家さんだと思います。しかし待つだけの事はある読み応えのある作品を出してきてくれる大好きな作家さんです(とはいえ未だ読むの三冊なんですけどね)。今回も読む前から本の厚さと同じくらいの熱い気持ちで期待してました。細かい物語は書くことは避けますが、何時ものハードボイルド色に加えて、今回はミステリーの味付けも結構されていました。正直この辺りが好き嫌い分かれる点だと思います。個人的にはもう少し王道ハードボイルド色強くても良かったんではないかと感じます。725Pの中には武士道・死刑制度・そして愛する人との絆 などが盛り沢山に詰め込まれています。読了感はお腹一杯です。サクッと読み終える事が出来る作家さんが支流の昨今です(読者がそれを求めているんでしょう)。良い意味でも悪い意味でもこれだけ読了に時間がかかる作家は。本と希少な存在です。だからこそ応援したいし苦言も言いたいです。今回の作品、先ずはタイトルが駄目。ボブ・ディランの曲名かとったんでしょうが、あまり内容に似合わない気がするし、逆にこのタイトルで初読者を掴み損ねている気がします。後先程も少し触れたんですが、それ程ミステリー色は強くない方がいいのでは?と勝手ですが感じます。もっと濃厚で固ゆでで心震わされる物語を望みます。一冊書くのに何年かかってもいいので、凄い作品を望みます。好き勝手な事言ってますが、好きな作家さんだからこその苦言です。今後も応援してますよ!

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コメント

全くですね。
私も同感です。
良い作家さんなので、大切に作品を書き続けて欲しいと思います。
専業作家?としてやって行けてるのかチョット心配です。
コンビニのバイトでもやりながらなんて考えたくもないですね(笑)
今回の新作、気になりますねぇ~

投稿: スミス | 2012年2月29日 (水) 23時28分

スミスさん

 お返事遅くなりました。本とじっくり良い作品書いて欲しいですね。でも本が全く売れない時代になりましたね。こんな面白いもの無いのにね。

投稿: マグ | 2012年3月 7日 (水) 02時23分

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