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2010年1月29日 (金)

再び一歩を踏み出した物語(「刻まれない明日」 三崎亜記)

三崎亜記さんの「刻まれない明日」を読みました。この話は三崎さんの「失われた町」という話の外伝的な物語となっています。あくまでも外伝で続編ではないです。一夜にして3095人が当然消えてしまった街にまつわる人々の話というテーマは一緒ですが、前作は割りと消失直後の話だったのに対して、今回は約10年後の状況です。10年一区切りといいますが、その言葉通りに失くしてしまった人や思い出に整理をつけて、新たなる一歩を踏み出す人達の再生の物語です。7つの短編からなるんですが、それぞれの物語の登場人物が複雑に絡み合い、最後に大集結します。今回も本とええ話やな~的な読了感です。今後も三崎さんはこの路線で行くんでしょうね。三崎さんも直木賞候補間違い無い人でしょう。今回一番印象に残った言葉を書いときます。「道は歩く人がいて初めて道と認識する。人も想う人、想われる人がいて初めて自分を認識する」という一文です。デカルトは「我想うゆえに我あり」と言いましたが、やはり自分を認識してくれる人が居て初めて自分の存在価値が分かるんでしょうね。

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