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2009年12月25日 (金)

続編だけどテイストは全く違う(「魔女の盟約」 大沢在昌 )

大沢在昌さんの「魔女の盟約」を読みました。この本は「魔女の笑窪」の続編です。前作が中途半端な感じで終わったので、その時点で続編があるのは分かってました。さて前作ラストで、因縁の売春島を壊滅させ香港へと逃げた主人公ですが、続編はちゃんとそこから物語は始まります。前作がどちらかというとVシネマ向きのエンターティメント作品だったのに対して、今回の続編は結構ハードボイルド色強い、国際陰謀サスペンスです。主人公や登場人物が同じなのにここまでテイストが違うと言うのは面白いですね。今回の舞台は香港・韓国・中国・日本とアジアを飛び回ります。それぞれの国の社会感や民族意識の違いを物凄く上手に描いてあります。その微妙な差が物語に貴重感を生み出します。大沢氏も文中で国をこう表現しています。(日本は最も成功した社会主義国。中国は最も資本主義的な国家)と。一瞬逆じゃないの?と感じますが、実はこの言葉が的を得ているのが現状です。その辺りも物語りに上手に織り込んであります。前作が今ひとつの感想でしたが、今作品は結構納得いく出来栄えでした。最後に印象に残った言葉を書いておきます。「男は一度手に入れたものを失うと、もう二度と得られないと思う。女は違う。一度得られたものなら、また得られる筈だと信じている」女性が主人公ならではのセリフですが、確かに男には無い感覚です。大沢氏は男性ながらよくぞこんなセリフを思いつきますね。

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