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2009年12月18日 (金)

ガリ勉の読書感想文(「エッジ」 鈴木光司 )

前作「神々のプロムナード」を読んだ時に私はこう書いている。「次作の(エッジ)が面白くなかったら鈴木光司さんの作品はもう読まない」と。それ程リングシリーズ以降の鈴木作品は酷いんです。とても同じ人が書いたとは思えないほどです。作者自身も焦りがあるのか、この新作には長い年月をかけて手を入れ直し要約の発売に到った経緯があります。待ちに待って「エッジ」の上・下巻を手に入れたので読みました。結果は惨敗・・・。どうした?鈴木光司!世界中で人が忽然と消える事件が続発している事から物語りは始まります。18年前に実の父親が同じように忽然と消えたルポライターが主人公です。父に疾走の謎と頻繁に起こる最近の疾走事件に同じ匂いを感じ調べ始めます。そこには地中にあるプレートや太陽の黒点の異常との関係性が見えてきます。また疾走した父親が残したマヤの古代文明の予言とも話が繋がっていきます。この辺りまでは本当にワクワクしながら読めました(最近の鈴木氏の作品は総て前半は面白いです)。しかし結末に向かうほどドンドンつまらなくなります。何かガリ勉の書いたレポートみたいな印象。よく勉強して調べてあるけど、全然自分の中で消化できていなくて、書いてる内容もコピーしただけで、全く読み手に伝わってこない、そんな感じでしょうか?鈴木氏は完全文系の物語を書く人だと思っています。だから「楽園」や「リング」や「仄暗い水の底から」が面白いんです。「らせん」や「ループ」は多少理科系の味付けはありましたが、あくまでも文系物語がちゃんとしてての味付けです。核となる物語が弱ければ只の知識の羅列でしかありません。正直溢れんばかりの知識はこの作品のなかでは全く輝きを放ちませんでした。あー本気で期待してたのに残念で仕方ありません。私も男です。誓約通り鈴木さんの新作はもう読みません。いっその事断筆して欲しい位です。寂しくなった「リング」読み直します。私に読書の面白さを思い出させてくれた大切な一冊を今後は大事に再読していきます。

 

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