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2009年10月 4日 (日)

異文化コミニケーション(「コンタクトゾーン」 篠田節子 )

昨日に続いて本日も篠田節子さんを紹介します。篠田さんといえばこのブログでも紹介しましたが、(ゴサインタン)や(弥勒)に代表されるように非常に宗教色の強い話の印象があったんですが、直木賞を受賞したのはOLの奮闘を描いた「女たちのジハード」でした。確かに宗教色の強い力作は読み手を選ぶ作品なので、直木賞を取るためにはもう少し一般的な作品でないといけないのは理解できます。なので「女たちのジハード」を書いた時は狙いもあった気がしてました。その後に登場したのが本日紹介する「コンタクトゾーン」です。主人公は36歳のOL三人。日本ではお局と呼ばれ色んな意味で微妙な年齢です。この辺りは(女たちのジハード)を引きずってます。しかし内容はもう少しヘビーです。この三人が訪れたアジアの楽園リゾート地が舞台です。日本での鬱憤を晴らすかのように買い物や我が儘を言いたい放題の典型的な馬鹿日本人観光客の行動しまくります。読んでてもムカッ腹が立つほどです。そんな三人に罰というか不幸が訪れます。突然その小さな楽園にクーデターが起こります。その氾濫に巻き込まれ命からがら小さな村に逃げ込みます。文化も歴史も風習も全く正反対のこの村での彼女達の奮闘を描いてあります。こう書くと何かゆるい話な感じもしますが、途中途中で差し込まれる物語(村人が射殺されたり、理不尽な略奪があったり)は結構ハードです。簡単に言えば(女たちのジハード)の主人公を(弥勒)の世界に放り込んだ感じです(弥勒ほど酷くはないですが)。これは篠田さんなりの抵抗だったのかな?本当は「弥勒」みたいな重いテーマを評価してもらいたかったのに、「女たちのジハード」で認知された為に、少し意思表示をした感じです。でも個人的にはこの「コンタクトゾーン」は中途半端な読了感です。何となく意図は分かりますがベクトルはどちらかに振り切った方が良い気がします。最後に印象に残った言葉を書いておきます。(日本って国はね、実は沢山の難民を出しているの。皆気づいてないだけで)確かにそうだと思います。異文化の生活に触れると如何に日本人は人間らしい生活をしていないか実感出来ると思います。その辺りの違和感を浮き彫りにした筆力は流石だと思いますが、トータルしたら及第点ギリギリといった印象でした。

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