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2009年9月20日 (日)

やはり総てが得意なわけにはいかない(「さよならバースデー」 荻原浩)

荻原浩さんの「さよならバースデー」を読みました。荻原氏は出す作品毎に作風の変わる稀有な作家さんです。ホノボノ系を支流にし、ホラー・ミステリー・シリアス・ハードボイルド・戦争ものなど毎回作風が変わり驚かされます。しかもどれもある程度のレベルを簡単にクリアーしている凄腕です。さて今回の作風はSF&ミステリーとでも言いましょうか?言葉を理解する類人猿のボノボを研究するチームが物語の中心となります。そこで連続して起こった二人の自殺の謎を探っていくミステリーです。言語を理解する類人猿の話と聞いて、瀬名秀明さんの傑作「ブレイン・バレー」を直ぐに思い起こしましたが、レベルは雲泥の差があります。瀬名作品はそこから人間と神の存在という哲学的な結末に向かって行ったのに対して、荻原作品は一人の女性の気持ちを気付いてあげられなかったという結構小さくまとまってて終わります。その結末を得る為だったら、何も言語をしゃべる類人猿などという難しくもSFチックな設定はいらなかったんじゃないかと思います。本人にしてみればSFも書けますよ!という腕を見せたかったんでしょうがハッキリ言って今回は失敗作と言わざるを得ません。先日酷評した東野圭吾氏のSF作品と同じ結果です。何十冊も本を書いているとたまには違う事をと思うんでしょうが、SFは手を出してはいけない分野な気がします。

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