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2009年8月 2日 (日)

苦労の跡が伺われる作品(「魔物」 大沢在昌 )

どんな才能がある人間でも永遠に才能が続く事はない。才能の枯渇だったり老衰による感覚のズレ、又は慣れによる飽きなど、様々な理由で才能は薄れていきます。年に何冊も書く作家さんなら特に顕著です。大沢在昌さんの「魔物」を読みました。大沢さんと言えば今や日本を代表するハードボイルド書きの名手として有名ですが、ここ最近の作品は苦悩の跡がうかがわれる作品が多い気がします。どんなテーマで作品を書こうともやはりベースはハードボイルドです。その点は彼の持ち味ですから何の問題もないんですが、そこに味付けするテーマが今ひとつ良くない。コンピューターをテーマにしたSF系だったり、脳を入れ替えられたスーパーウーマンだったり、いささか荒唐無稽な設定が多い。しかもその筋の人には嘘が直ぐばれるほどの稚拙な設定です。これは読んでいてもゲンナリしてしまいます。今回読んだ「魔物」もテーマは(悪魔憑き)です。ロシアから紛れ込んだ悪魔の板切れ(教会に古くから伝わる悪魔を閉じ込めたもの)を巡って刑事とヤクザが入り乱れての大騒動を描いています。やはり今回もベースにはハードボイルドがあるんですが、テーマとの脚用が余りにもかけ離れていて今ひとつ世界に入り込めません。ハードボイルド一本じゃ飽きられるという恐れも分かりますが、変てこな設定なモノを書くくらいならマンネリと言われても王道ハードボイルドを書いてくれた方が好感が持てます。気付いたんですが、大沢オフィスの三人(大沢・宮部みゆき・京極夏彦)は最近皆この現象じゃないですか?皆本来の持ち味を思いだしてジックリ良い作品書いて欲しいです。不得意な設定で書いても結局はボロが出ますから・・・。

 

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