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2009年8月21日 (金)

俺の女(「私の男」 桜庭一樹 )

今年もほぼ8ヶ月が終了しました。その時点で今年の私の読書ナンバー1は桜庭一樹さんの「ファミリー・ポートレイト」です。幾つかの候補作があって悩むのではなく、断トツに飛びぬけてナンバー1です。それ程個人的には傑作だと思ってます。順序が逆になりましたが、要約直木賞受賞作「私の男」を読みました。売れただけに100円になるのは早いだろうと予想していたら、案の定早い時期に見つける事が出来ました。さて今更内容を話すまでも無いと思いますが、一応簡単に話します。主人公は私(名前もありますがタイトルからこう言った方がいいと思います)、そしてその側に片時も離れず居るのが義理の父である男。この二人の人生を24歳から9歳へと遡る形で書かれています。つまりエンディングから話が始まります。エンディングである第一章は私が結婚をする話です。その時点で義父と私とのただならぬ関係が滲み出ています。父であり異性としての男であり、そしてそれ以上の深い繋がりを感じさせます。結果第一章でその関係はあっけなく終わるのですが、その関係の深さを時代を遡る事でジワジワ書き綴ってあります。傑作「ファミリーポートレイト」と比べると「私の男」は完全に創作物語だと分かります。義理の父とのイケナイ関係。一歩間違えば下世話なエロ話になりそうですが、流石は桜庭氏、きっちり文学作品に仕上げてあります。当然と言えば当然なんですが、完全なる女性目線の作風で、男には少し理解し難い部分もあります。所謂子宮感覚と言った所でしょうか?正直「ファミリーポートレイト」程の衝撃は感じませんでしが、侮れない作品であるのは間違いないです。読み終わった後に、もう一度最初から読み直したら感じが変わる作品だと思います。桜庭さんの作品はこれで5冊読みましたが、完全に虜になってます。正しく(俺の女)になりつつあります。

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