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2009年8月22日 (土)

世界は理由の定かでない決まりごとで成り立っている(「白いへび眠る島」 三浦しおん)

昨日書いた桜庭一樹さんが今年出会った最大の収穫であった様に、昨年の最高の出会いは三浦しおんさんです。こう書くと自分は女性作家好きなのか?と改めて考えさせられます。女性作家の持つ独特の文章表現や粘着性は、男性にとって理解し辛い人が多い気がしますが、私は割りとすんなり理解する事が出来るみたいで、その点から女性作家を多く読めるのかもしれません。その中でも桜庭さんと三浦さんは私の感性のツボにバッチリ嵌り込む作家です。今回読んだのが「白いへび眠る島」という三浦氏にとっては割りと初期の作品です。舞台は小さな離島です。そこには長男しか土地に住んではいけない決まり事や、白蛇様を祭る伝統があります。その島で行われる奇祭の日に怪しげな何かが暗躍します。その騒動を中心に、主人公の少年の成長を描いている物語です。書く人が代われば、もっとドロドロしたオドロオドロしい怪奇譚になりそうですが、その辺りは三浦氏の色が全開で、綺麗なファンタジーに仕上がっています。とはいっても物語自体はそれ程新しみも斬新さもないです。やはり三浦氏の本は内容より言葉にある気がします。今回もいい言葉があったので書いときます。「逃げ出したい場所があって、でもそこにはいつでも待っててくれる人が居る。その二つの条件があって、初めて人はそこから逃げる事に自由を感じられるんだ」自由の定義を完璧に言葉で表しています。更に「世界は理由の定かでない決まりごとで成り立っている」という子供目線でもあり大人目線でもある、世の中の真理をズバリ言い当てています。この辺りは本と流石ですね。初期作品の方が三浦氏の良さが出ている気がします。最近の作品より何倍も好きな気がします。

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