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2009年8月16日 (日)

これが本当の遺作です(「酒気帯び車椅子」 中島らも )

中島らもさんが死んでもうどれ位経っただろうか?死の知らせの直後は余りにも突然の死で呆然としたものですが、どんな悲しみや衝撃も時間が色を薄めさせていきます。らも氏の死を受け入れたというよりは、最近会わなくなった友人のように記憶の片隅に追いやられていった感じです。それでも喪失や死は日常のふとしたキッカケで記憶の片隅から引き出されたりします。日常の習慣となっている古本屋でらも氏の遺作「酒気帯び車椅子」を見つけて、眩暈の様にらも氏が居ない事の悲しみが蘇りました。らも氏といえばアルコールや薬の中毒で何時も支離滅裂な状態のイメージがあったんですが、人生の後半は何かそれなりにまともに生活していた気がします(とは言いながら薬で逮捕されたりしてましたが)。大麻や麻薬は良くないことなんだろうけど、今世間を騒がせている酒井法子や押尾学のそれとは何か手触りが違う気がするのは私だけでしょうか?何が違うんだろう?らも氏は自分が駄目な人間だと自覚しているのに対して、芸能人はそれを認めていない、いや認めるどころか逆に選ばれた人間だという驕りさえ感じる。駄目な人間を自覚する事で、周りに対して慈愛みたいなものが生まれてくる気がする。そんなソコハカトナイ愛がらも氏の小説には表現されています。遺作となった今作も、(酒気帯び)というアル中的な言葉と、(車椅子)という社会的弱者的な言葉を組み合わせたトリッキーなタイトルをつけながら、全体を通して流れているテーマは(愛)です。勿論普通の人がウットリしながら読むベタベタな愛ではなく、容赦ない暴力や死の香りのする愛です。その辺りが流石らも氏です。過去の傑作が沢山あるので、正直遺作として大々的にお勧めするほどの出来栄えではないと思いますが、らも氏のファンは読んでおいて欲しい一冊である事には違いないです。生前薬や過激な言動がどうしても前面に出がちだったらも氏ですが、とてつもない愛に溢れた事を遺作からも垣間見れます。これで本当に最後なのかーと思うとシンミリしてしまいました。沢山の笑いと愛を有難う!

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