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2009年7月26日 (日)

東野の指(「赤い指」 東野圭吾 )

「悼む人」の余韻に未だ浸っている内に同時に友人から借りた東野圭吾氏の「赤い指」を読みました。「悼む人」が本当に一語一語をかみ締めるようにじっくり読んだんですが、この作品は二時間でサクッと読了。何時もながら東野作品は本当に読みやすい。流石です。この辺りが多くの人に指示される最大の理由のひとつなんでしょう。1985年にデビューしてからこの作品が目出度く60作目の記念本だそうです。60作という中途半端な区切りは前作が「容疑者Xの献身」(直木賞受賞作)だったので、その勢いを借りた形で60作というハンパな数字でも記念作品として売り出した次第です。21年で60作品は多いのか少ないのか?やはり多いと思います。東野作品は読んでも読んでも読みきれていない現状が多さを物語っています。ファンにとっては作品を乱発してくれるのは嬉しい事なんでしょうが、私個人的意見としては半分に減らして内容の濃いものを書いてもらいたいとうのが正直な願いです。最近の東野作品を読むと何時もそう思います。何時も辛口評価してしまうんですが、ここ最近の作品の中で一番の傑作(このミステリーがすごい!2007年9位)だというこの「赤い指」を読んで、それで駄目ならもう東野作品は読むのを止めてもいいとすら思いながら読み始めました。結果確かに最近の東野作品の中では納得のいく出来栄えと言う事は実感できました。しかし何時もの通り人間の描き方は希薄だし、物語の展開もあまりにも予定調和過ぎます。本と2時間ドラマと同じ位の展開です。殺人や引きこもりや痴呆という重たいテーマを下地にしているのに、それぞれの描き方が本と軽い。故に最後に用意されているドンデン返しの驚きに心を揺さぶられる度が薄くなってしまうんです。本と惜しいです。決して深い話を書けない訳ではない筈なんです(「白夜行」「秘密」などを書いたんですから)。書きたくないのかな?そうなら仕方ないですけどね。ネタバレになりますが痴呆の母親が実は痴呆のふりをしていただけというこの本最大のトリックもかなり無理があるんですが、他の作家なら怒りで本を投げ捨てそうですが、東野作品だと許せる・・・。この許せる加減が人気作家のパワーなんだと思います。まー結果首の皮一枚で今後も東野作品読み続ける所に落ち着きました。私がこんな偉そうに言ってもビックリするぐらい本は売れてるんですけどね。参りました。

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