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2009年6月21日 (日)

花やしきのジェットコースターレベル(「トーキョー・バビロン」 馳星周 )

昨年の私の読書ベスト10に馳星周氏の「生誕祭」があります。クライム小説という分野を作り出した馳氏の新境地を感じさせる作品で、兎に角スピード感が凄かったんです!ジェットコースター小説とはまさしくこんな小説を言うのだろうと、納得させられる位の目まぐるしい急展開に次ぐ急展開の連続で最後まで堪能させられました。世間の評判はどうだったのか分かりませんが、馳作品を続けて読んでいる人には新たなる馳ワールドを期待させる一冊だった事は間違いないです。そんな「生誕祭」以来の馳作品「トーキョー・バビロン」を読みました。「生誕祭」がバブル時期の話だったのに対して、今作品はその後のネット・バブル時代が舞台です。今回も三人の主人公が騙し合いをする小説です。元ネット会社の社長で騙された事で多額の借金を背負いヤクザに雁字搦めにされている男。水商売のナンバー1だが体を壊した事でその座から滑り落ち将来に不安を持つ女。過去の不始末から本家から格下げの仕事をやらされているヤクザ。この三人が大手金融会社の部長を騙して大金をせしめようと暗躍します。そこに悪徳警察・他の組のヤクザ達などが絡み、くんずほぐれつの大騒動を巻き起こします。傑作「生誕祭」と同じ様な展開です。ただ「生誕祭」がフジヤマやスティール・ドラゴンの様な物凄いスピード感だったのに対して、今作品は花やしきレベルのスピード感です。部分部分では同じ様な疾走感があるのですが、やはり前作を体験した身としては物足りなさを感じます。決して悪い作品ではないのですが、「生誕祭」の二番煎じという感じは拭えません。残念。でも今後の馳ワールドの足場が決まってきたと言う意味では良い事ではないでしょうか?次作も期待してます。

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