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2009年5月17日 (日)

男は単純だと再確認する小説(「魔女の笑窪」 大沢在昌 )

私が読書する際に参考にしているのは「このミステリーがすごい!」という本です。年に一回発売になってその年発売のミステリー小説のベスト20位までが紹介されます。古本ではありますが、なるべくこの20冊は必ず読むようにはしています。そんなこのミスも昨年で20周年を迎えたそうで、統計をとってみるとベスト20までに最多入賞したのが「新宿鮫」で有名な大沢在昌氏だそうです。これは意外でした。大沢さんといえばハードボイルド作家。作風もそれ程変化が無いイメージなので、そんなに何作も入賞しているとは驚きです(そう言いながら殆ど読んでるんですけどね)。それだけ固定ファンが多い作家さんなんでしょうね。しかしここ最近は入賞作がありません。ハードボイルドタッチの警察小説の佳作が増えたせいでしょうか?本自体が売れなくなったせいでしょうか?真偽は分かりませんが残念な限りです。そんな大沢氏の「魔女の笑窪」を読みました。タイトルからは全くどんな話か想像出来ません。読み出して感じたのは過去の大沢作品「天使の爪」と似た印象を受けます。パッと見は強い女性しかし内面は弱い驚くべき過去を抱えた主人公。加えて在り得ない設定下で過去の亡霊に追われ続ける。設定は同じです。今回も女性が主人公という事で登場する男達をバッサ・バッサと切り捨てます。主人公は地獄島という売春専用の島で奴隷として働かされた過去があり、唯一島抜けをして成功した伝説的な女性です。整形し過去を隠し裏の仕事で生きています。地獄島で何千人という男の相手をさせられた為、出会った男の内面を直ぐに言い当てます。その特技を活かして裏社会である地位を確立して生活しています。前半はそんな彼女日常を連作短編風に描いてあります。後半になるとグッとスピーディーな展開となります。ひょんな事から彼女の存在が地獄島にばれて、彼女を連れ戻すために地獄の番人と呼ばれる追跡者が送り込まれます。ここからは大沢節全開です。彼女は自分の過去にけじめをつける為に再び島に乗り込みます。果たして結果は?といった感じです。エンターテイメント詳説しては楽しめますが、大沢作品としては平均点以下な読了感です。流石にこのレベルでこのミス入賞は難しい。終わり方も完全に続編在りの終わり方です(「魔女の盟約」として既に発売済み)。続編読んで総合的な評価したいと思います。印象に残った言葉があるので最後に書いておきます。「女は男ほどには分類もできず、分かりやすい特徴などもっていない。女は女である私でもいったい何を考えているのか分からない生きものなのだ」男にとって永遠の謎である女性の生態。とどのつまりは女性同士にも分からないんだから、男に分かるはずは無いですね。理解するより感じろという事ですね。

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