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2009年4月12日 (日)

大人が恰好良ければ子供はぐれねんだよ!(「チイルドレン」 伊坂幸太郎 )

伊坂幸太郎ブームが来てます。デビューして数作までもかなりの話題だったんですが、一時期正直作品的にも話題的にもトーンダウンしてた気がします。しかしここに来て話題作連発です(未読ですが「ゴルデンスランバー」「モダンタイムス」は本と傑作らしい)。そんな伊坂さんの「チルドレン」を読みました。このブログをズーッと読んでくれている人にはもう耳にタコだと思いますが、是ほどの流行作家さんなのに私はどうも相性があまり良くなかったんです。何作かけなした事もあります(ファンの方すいません)。その一番の理由は登場人物の熱のなさだと何度も言ってきましたが、ここ最近はそれを感じさせないんです。つまり私にとっての伊坂氏の唯一の欠点が解消されてきているので、けなす所がなくなってきたという事であります。さて「チルドレン」は5作からなる連作短編集という形式なんですが、伊坂氏自身は(短編に見せかけた長編)と語っています。そう思わせる点は総てに登場する陣内という非常に魅力的なキャラクターの存在です。初めは大学生でそしてタイトルの由来ともなっている家裁調査員として所々に登場します。加えてサブキャラとして盲目の青年も要所要所で出てくるんですが、見えない彼の語る世界観がまた独特でいいんです。何時になく名セリフも多いです。例えば(子供の事を英語でチャイルドと言うけれど、複数になるとチルドレンになる。別物になるんだよ)とか、(彼らは一人きりでいる時は問題がなくとも集団になると歪むのだ)なんてセリフは子供の本質をズバリ言い当てている気がします。極めつけは子供目線で大人を批判した(大人が恰好よければ、子供はぐれねんだよ!)というセリフにはドキッとする大人の人は多いのではないかと思います。一つだけ批判をするとしたらタイトルだけでしょうね。勿論今の名セリフにあるように子供について語っている章もあるんですが、全体通すとタイトルの妙は感じられないです。それ以外は今回は批判する点は見当たりません。ただこの作品含めてノミネートされながらも直木賞受賞出来ないのは、優等生すぎるからではないでしょうか?作家という職業はもう少し自分の内臓をさらけ出すような覚悟みたいなものが作品に現れた方がいい気がします。上手く言葉には出来ませんが何となくそんな気がします。話題の最新作二作あたりで受賞という結果になるんではないでしょうか?期待を込めて早く読んでみたいです!

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