« 生々しいドキュメンタリー色が消えた(「シティ・オブ・メン」 パウロ・モレッリ監督 ) | トップページ | 今の時代ハードボイルドを書く者も読む者も愚か者(「愛こそすべて、と愚か者は言った」 沢木冬吾 ) »

2009年4月17日 (金)

彼女の前では誰でも裸になる(「アニー・リーボヴイッツ~レンズの向こうの人生」)

ジョン・レノンが射殺される前最後の写真があります。オノ・ヨーコに裸で纏わりつくジョンの姿を捉えた貴重なポートレイトです。奇しくもこの自らの弱さの総てをさらけ出した様な姿が写真に収められた直後ジョンは射殺されました。何かを暗示していたのでしょうか?この有名な写真の存在は知っていたんですが、撮影者の名前までは知らなかったんです。しかしこの度1本のドキュメンタリー映画によって知ることが出来ました。「アニー・リーボヴイッツ~レンズの向こうの人生」という一本は驚きの連続でした。私が全く知らなかっただけでアニー・リーボヴイッツという女性フォトグラファーはアメリカでは物凄く有名な写真家でした。過去の偉業も凄く、先程のジョンの写真や、ローリング・ストーンズのツアーに同行し写真を撮り続けたり、デミー・ムーアの妊婦写真など、名前は知らなくても衝撃的な作品群は私も目にした事がありました。このドキュメンタリーは過去に彼女に撮影をしてもらったセレブ(映画俳優やミュージィシャンや政治家など)が、彼女の事を語るシーンが繋ぎ合わさって、間間に現在の彼女の撮影風景画織り込まれています。別段何かドラマティツクな仕立てがしてあるわけでは無いので淡々と進んでいきますが、彼女の作品群を見るだけでもグイグイ引き込まれていきます。彼女の写真を称して(何故だか彼女の写真からは被写体の人生が浮かび上がってくる)と語る人が多く居ます。その賞賛の言葉に対して彼女は「たかが写真で見えてくる程人生は簡単ではない。人生はもっと複雑で素晴らしいものだわ」とあっさり言ってのけます。本の一瞬だけを撮影した写真から何十年の人生が浮かび上がるのも真実だし、逆に一瞬だからこそ嘘も撮影してしまう事もある。何となくそんな事を感じました。先程も言いましたが別段ドラマティツクな仕上げがしてあるドキュメンタリーではないので、興味の無い人には退屈かもしれませんが、写真を含め映像関係の仕事の方が見ると結構何かのヒントを得られる一本かもしれません。呑み屋の私ですが結構楽しめました。

|

« 生々しいドキュメンタリー色が消えた(「シティ・オブ・メン」 パウロ・モレッリ監督 ) | トップページ | 今の時代ハードボイルドを書く者も読む者も愚か者(「愛こそすべて、と愚か者は言った」 沢木冬吾 ) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 彼女の前では誰でも裸になる(「アニー・リーボヴイッツ~レンズの向こうの人生」):

« 生々しいドキュメンタリー色が消えた(「シティ・オブ・メン」 パウロ・モレッリ監督 ) | トップページ | 今の時代ハードボイルドを書く者も読む者も愚か者(「愛こそすべて、と愚か者は言った」 沢木冬吾 ) »