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2009年3月21日 (土)

必然か?偶然か?(「母恋旅烏」 荻原浩 )

世の中で起こる事は総て必然で、偶然というのは存在しないのか?この問題に真っ向から挑戦し物語としても傑作だった「奇偶」という小説があります。昨年出あった小説の中ではナンバー1の衝撃的な一冊でした。その小説を読んだ後でも偶然が存在するのかどうか決定的な核心は掴めないのが正直な気持です。昨日園子温監督の「紀子の食卓」を紹介しましたが、その中で登場するのが擬似(レンタル)家族という存在です。お金を払う事で本当の家族のような時間を買うことが出来ると言う仕事です。そんな仕事があることを今まで全く知りませんでした。それがどうでしょう?偶然(?)なのか同時期に読んだ小説にもレンタル家族がテーマとなっていました。その小説とは荻原浩さんの「母恋旅烏」という一冊です。元旅芝居の役者だった親父を持つ兄弟三人と両親の一家は、レンタル家族派遣業で日々何とか生活を凌いでいます。しかし山師的な生き方をする親父は会社を作っては潰し、いよいよ借金取りからも逃げ切れなくなり、仕方なく旅芝居の世界に再び戻ります。初めは嫌々だったんですが、段々と本来の血が騒ぎ出し、潰れかけていた一座を人気一座へと変えていきます。その流れの中で、家族それぞれが様々な経験をし変って行くのう上手く物語りに盛り込んであります。物語の中心は旅芝居一座の話なので、途中まで何故(レンタル家族)の話を初めに織り込んだのか今一つ良く分からないのですが、読み進んでいくとテーマが(家族)だと気付かされるので納得がいきます。園監督作品と同じくレンタル家族を演じている時が一番家族らしい家族なんですが、現実に戻ると問題ばかりの家族。親父は借金・娘は妊娠・息子一人は友達も出来ないしもう一人は少し発達障害気味。唯一の救いというか普通な存在が一家を支える母親の存在です。しかしこの存在こそが実は一番母親役を演じて生きていた事がラストになって分かります。総てはこのラストに向って伏線が張られていた事に気付きます。上手いです。園監督が家族崩壊をシリアスに描いて結果コメディーのような終わりを迎えたのに対して、荻原さんはコメディーを描いて最後にシリアスなエンディングに向ったという面白い図式です。果たして同時期にこの映画と小説に出会ったことは偶然でしょうか?やはり私の中では必然を感じて仕方がありません。家族という存在に対して私も何か考える時期が来たという事でしょうか?自分では未だ何も分かりませんが、もし何か起こったらこの必然的な出来事に自分自身が衝撃を受けるかもしれません。好御期待!

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コメント

初めておじゃまします。
わたくし、最近「きょうのあらかると」というココログを立ち上げましたKOZOUともうします。

下手な小説とかもアップしています。
たくさん読書されているようですね。
表題の記事もおもしろく読ませていただきました。

時々寄らせていただきたいと存じます。
もしよろしかったらわたしのブログものぞいていただければ幸いです。

投稿: KOZOU | 2009年3月21日 (土) 13時28分

KOZOUさん

 初めまして。稚拙なブログですが、尋ねていただき有難うございます。多少マニアックになりがちなブログですが、今後もよければたまに覗いて下さい。私も遊びに行かせて頂きます。

投稿: マグ | 2009年3月22日 (日) 11時27分

突然おじゃまして丁寧にレスをいただきありがとうございます。
母恋旅烏、ほんとにおもしろそうですね。
レンタル家族、悲哀のこもる寂しい言葉ですが考えたら実際の家族もそれぞれの役割を演じているだけのことが多いのかもですね。

投稿: KOZOU | 2009年3月23日 (月) 16時40分

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