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2009年3月15日 (日)

少年時代の空想を上手くトリックにした作品(「向日葵の咲かない夏」 道尾秀介 )

自分の子供時代ってどんなだっただろう?部分的に物凄く憶えている事もあれば全く憶えていない事もあります。何故だろう?印象に深く刻まれた事は物凄い出来事だったか?というと決してそんな事はなくて、すごい事でも忘れていたり、逆にどうでも良い事を物凄く鮮明に思い出したりします。記憶に残る事柄は脳が勝手に取捨選択しているみたいです。何気ない夏休みの始まりの一コマが恐ろしい事件で幕を開けたとしたら記憶は残るのでしょうか?道尾秀介さんのデビュー二作目「向日葵の咲かない夏」を読んで何故か自分の子供頃の夏休みの事を一杯思い出しました。主人公は小学生の僕。夏休みに入る日に先生に言われ、その日休んだ子の家にお知らせを持っていくとその子は首吊り自殺していました。急いで学校に帰り警察と共に戻ると、何故か死体が無くなっています。そこから主人公の僕とその妹の謎解きの夏休みが始まります。さて驚愕の真実は?という感じの内容です。何故遺体は消えたのか?何故自殺したのか?というミステリーの王道謎解きを主体に、その裏にひっそりと忍び込ませた大きな謎も最後に明かされます。デビュー作「背の眼」から一気に垢抜けた感じです。デビュー作を読んだ時はそれ程凄い作家だとは感じなかったんですが、一気に化けた作品ですね。既に「ラットマン」は以前このブログでも紹介したんですが、この作品の方がホラー色が少し残っていて個人的には好みでした。それにしても道尾さんは上手い!テクニシャンですね。これに心理描写や人物描写が深くなれば直木賞いけるでしょうね。

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