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2009年2月 8日 (日)

背負った十字架の重さ(「少女」 湊かなえ)

昨年衝撃のデビュー作「告白」でミステリー界の話題をさらった湊かなえさんの第二段が早くも届きました。その名もシンプルに「少女」です。タイトル通り二人のセーラー服の少女が表紙です。いきなり自殺する少女の遺書からスタートします。前作同様問題作の予感がビンビン伝わって来ます。どんな凄い話になるのか?と思って読み進めると意外に普通の話に戻って拍子抜けします。ありがちな思春期の女子高生の抱える悩みやすれ違いを主人公二人の二視点・一人称で淡々と語られていきます。お互い表面的には親友と思っているが、今一つ理解し合えてないジレンマを抱えて日々生活しています。いつでも壊れてしまいそうな危うい関係ながら、綱渡りの様相で続いているのが現状です。物語が大きく動くのが夏休み。一人は体育の補習の為老人ホームで働き、一人はボランティアで訪れた病院で、様々な人と出会い問題を投げ掛けられます。別々の話だった筈が何時の間にかリンクしていきます。そして衝撃の結末が・・・。といった感じなんですが、確かに前作同様一気読み出来るし上手いと思います。しかし今回は何か予定調和過ぎるのが鼻につきます。パズルのピースが合わさったら要約全体像が見えるという手法はミステリーでは良くある事ですが、あまりにもあざといとスカッと感が無いんです。今回は残念ながらスカッと感薄かったです。加えて冒頭に登場した遺書の謎が、メインの話が終わった後の終章で謎証がされるんですが必要だったんでしょうか?確かにこの結末のお蔭で前作同様衝撃的な結末にはなりますが、メインのテーマだけでも充分面白かった気がします。前作の衝撃度が高すぎて重たい十字架を作者が背負った感じがします。それでも筆力は流石です。同じ様な話が続いたので次作が本当の意味で真価が問われる作品となる予感です。

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» 少女【湊かなえ】 [本・月のうさぎ堂]
2人の少女の友情。これは、表のテーマです。少女たちの友情は、最後には固く結ばれます。そういう意味では友情物語。でも底辺に流れる裏テーマがあります。 [続きを読む]

受信: 2009年2月11日 (水) 23時15分

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