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2009年2月28日 (土)

パロデイ?シリアス?やっぱりパロディー(「少女には向かない職業」 桜庭一樹 )

「私の男」で直木賞を受賞し今勢いのある桜庭一樹さんの「少女には向かない職業」を読みました。ハードボイルドの佳作にP.Dジェイムズ著の「女には向かない職業」という作品があります。タイトルだけみると完全にその作品のパロディーだと思って読み始めたら様子が少し違いました。本家は女性探偵が活躍する話なんですが、この話は中学一年生が完全犯罪を犯す話です。とはいっても重たい話ではなくライトノベルと言っても良いほどの軽いテンポで話が進んで行きます。各章のタイトルもふざけていて、冷凍マグロを使って殴り殺して、凶器がばれないように直ぐに煮込んで料理にしてしまおう、とか如何にも中学生が考えそうなお粗末なトリックが考えられたりします。これは完全なるパロディーだなと思っていたら、思春期の女子の不安定な心情を繊細に織り込みながら、ラストの二人目の殺人に向っていくシーンなんかは結構シリアスな展開になっていきます。字も大きく読みやすいので二時間で読了。まーそこそこ楽しめました。読んでいる途中から感じていたんですが、この話何かにソックリなんです。そうです貴志祐介さんの「青の炎」です。暴力をふるい昼間から酒を飲む父親を、完全犯罪に見せかけて殺す中学生という設定は完全に同じ(こちらは男子学生ですが)。その殺人を人に知られもう一人殺人を犯そうとする流れも似ています。そう思うとやっぱりこれはパロディーです。けど決してパクリではないです。あくまでも愛情のあるパロディーだと感じます。タイトルから内容まで桜庭氏が遊んだ感じですね。この後傑作「赤朽葉家の伝説」を書くターニングポイントになった作品である事は間違い無いです。

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