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2009年1月10日 (土)

タイトル・作者名・物語総てがミステリー(「完全恋愛」 牧薩次)

新人でもないのに全く名前も知らない作家が「このミステリーがすごい2008」の第三位を獲得していました。牧薩次という人の「完全恋愛」という一冊です。普段からミステリーの分野に関しては情報を気にしているので、新人でも話題になる作品に関しては名前ぐらいは知っているのでこのノーマークの作家と作品には興味津々でした。これも新作にも関わらず友人のお蔭で早速読めました。驚くべき事にこの作品には多くの仕掛けがされていました。先ずは作者の名前(牧薩次)ですが、実は本名は(辻真先)というベテラン作家さんで、その文字の並びを変えた遊びとなってます。何故名前を変えたんだろう?という疑問が湧きます。その答えは物語の中に存在します。一応凶器消失・密室・アリバイ崩しなどのミステリー要素も沢山織り込まれていますが、その先にあるミステリーよりも大きな仕掛けが存在します。故にミステリーとして読むより恋愛小説として読む物語なんでしょう。帯にも(他者にその存在を知られない罪を完全犯罪と呼ぶ。では他者にその存在さえ知られない恋は完全恋愛と呼ばれるべき)とあります。読み終えるとこの文章が示す意味とタイトルの意味が明確に浮かび上がってきます。時代を跨いだ壮大な物語の流れに、何か昨年読んだ桜庭一樹氏の「赤朽葉家の伝説」に似た読了感でした。流石ベテラン作家。今の作家には無い旧き良き何処か懐かしい物語でした。このミス三位はだてじゃなかったです。

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