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2009年1月31日 (土)

ピンサロのドストエフスキー(「バッド・チューニング」 飯野文彦 )

以前中学生同士が殺しあう「バトルロワイヤル」という小説が、その倫理観の無さに日本ホラー小説大賞を落選すると言う事件がありました。しかし他の出版社から発売され映画化もされ大ヒットしました。その経緯を聞いて本を読んだんですが、何処がそんなに倫理感に反するのか良く分からない程普通の小説でした。ここに一冊の本があります。飯野文彦氏著の「バッド・チューニング」という本です(2009年このミス13位)。この本も余りの狂気ぶりに日本ホラー小説大賞落選と言う前情報が入ってきた本です。正直またかよ?という思いもありましたが、読んでみて「バトルロワイヤル」とはレベルが違う事を認識しました。ハッキリ言ってとても正常な人間が書いたとは思えない文章表現です。タイトル通りチューニングが悪い(狂った)妄想にかられた主人公が紡ぎ出すエロとグロの殴り書きが延々と続きます。しかし破綻しそうな文章はギリギリの所で小説の体制をたもちます。まるでアル中や薬中が一瞬だけ素面に戻る瞬間があるように、この小説も破綻しかけると一瞬だけ物語を正常に引き戻します。このまま波状したまま終わるのか?と思っていたら、何と小説してちゃんとしたエンディングを迎えます。思わず拍手してしまいました。世間であまりにも問題作だと言われるんですが、エロ・グロ加減は新堂冬樹氏の方が全然上だし、猟奇的な部分だけ挙げれば他にも沢山同レベルの作品がある気がします。では何故問題作なのか?それはこの文章の持つ質感が作られた物でなく、本当の精神異常者の醸し出す臭いに似ているからではないでしょうか?良く馬鹿とキチ○イは背中合わせといいます。その通りの内容で主人公は単なる馬鹿ではなく、超人的な哲学感を持つ天才でもあります。その綱渡りが本気の異常さを醸し出しています。小説としての判断は難しいですが、凄い本である事は間違い無いです。飯野氏の次に出す本が興味津々です。

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