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2008年11月 1日 (土)

クライム小説としても恋愛小説としても駄作(「クレイジーヘヴン」垣根涼介)

以前何かの雑誌で垣根涼介氏のインタビューを読んで氏がしきりに言っていた事を思い出しました。「今回出した本(サウダージ)と(クレイジー・ヘヴン)はクライム小説ではなく俺なりの恋愛小説です」と。サウダージは既に読了してますが人気シリーズ「ヒートアイランド」の三部作目で、確かに南米の情熱的であっけらかんとした準主人公の女性との恋愛模様が色濃く描かれていました。そしてもう一冊の「クレイジーヘヴン」を今回読みました。垣根氏の作品としてはかなり薄めの本です。その薄さに比例するように内容も薄い本でした。正直垣根氏の作品の中では一番つまらなかったのが本音です。物を変えるように女性を代える主人公は、体だけのつきあいで決して相手の心まで踏み込む事はしんません。去る者追わず、来る者拒まず(しかし二度目は拒む)といった感じの生き方をしています。そこで出合った投げ遣りに生きるヤクザの情婦。知らぬ間に一緒に生活し離れられなくなっていきます。愛なのか情なのか分かりませんが今までに無い感情を擁き、彼女を酷い目に合わせたヤクザ達に復讐していきます。そして垣根氏には珍しいハッピーエンドで終了。何じゃこれ?何の深みも味もない!ここ最近読んだ垣根氏のクライム系はガッカリな作品が多いです。その声を反映してか今までの持ち味とは全く違う作品「君たちには明日は無い」を書き上げ意外にもかなりの好評価を得ています。作家としては首の皮繋がった感じでしょう。確かにこの違う作風も面白いですが、矢張り垣根氏といえばクライム系が本当の持ち味です。何時かまた「ワイルドソウル」の様な凄い作品を期待します。結構きついかもしれませんが、この本は読む必要無しです。

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