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2008年11月 9日 (日)

初めて主人公に微熱を感じました(「魔王」伊坂幸太郎)

伊坂幸太郎さんの「魔王」を読みました。衝撃的なデビューから今や出せばかなりの冊数が売れる作家さんへとなりましたが、正直私の評価は読むたびに落ちていく作家さんです。決して面白くない事は無いし、他の誰にも書けない独自性は認めるのですが、何か同じ様な作品を続けて読まされて居る感じと主人公の熱のなさが読んでいて物凄く距離感を感じる点がどうにも自分には世界に嵌り込めない要素となっていました。それでも古本で見つければ必ず読んでしまう不思議な作家さんではあります。さて今回友人から借りて読んだのですが、3時間でサクッと読了しました。政治的でありファシズムとは何ぞやといった感じの今までの伊坂作品には無いテーマで重いのかな?と思ったのですが読み始めれば何時もの伊坂節で読み易かったです。驚いた事に今回の作品は今までの伊坂作品と少し毛色が違い、初めて類似性をそんなに感じさせない作品でした。作風も違うし、主人公も何時もよりは人間らしい微熱を感じさせる書き方です。その点に少し驚きました。本人も同じパターンではいけないと感じたのでしょうか?個人的にはこの変化は大歓迎です。しかし物語の出来としては今一つな気がします。一見重たくなりすぎるテーマを読みやすい作品にする力は凄いと思いますが、結局伝えたい事がそれ程伝わってきませんでした。まー伊坂さんらしいと言えばらしいんですが。タイトルの「魔王」という意味、最後に分かるのですが、伊坂氏が意図する「魔王」という存在よりも個人的には大ベストセラー作家になった伊坂さん自身が実は「魔王」になっているのではと思わざるを得ません。伊坂氏の言葉や作品に何の疑いも無く引き摺られる読者達。これこそある意味ファシズムに誘導される群集心理ではないでしょうか?小説としての出来栄えは賛否両論分かれる作品だと思いますが、伊坂氏の今後の分岐点になる作品だと言うのは間違い無い気がします。最後に印象深い言葉を書いときます。「お前達のやっているのは検索で、思想ではない」

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受信: 2008年11月 9日 (日) 17時36分

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