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2008年11月23日 (日)

新生(馳星周)の生誕祭(「生誕祭」馳星周)

大恐慌前夜です。TVのNEWSでは連日解雇の報道。毎日何千人と言う人が職を無くしていきます。来年は本と大恐慌になるのでは無いかと思います。自営業の私はクビになる事は無いのですが、やっていけなくなったら自ら退かなければなりません。想像するだけで背筋が寒くなります。つい20年前にもバブル崩壊という大恐慌がありました。その当時まだフラフラ生きていた私は、今回の不況ほど痛みは感じませんでしたが、確実にその当時浮かれ溺れ沈んでいった人が山のように居た筈です。そんなバブルに踊らされた人達の騙し合いを疾走するようなスピード感で描いた本を読みました。ノワールというジャンルを一般的にした馳星周「生誕祭」という一冊です。地上げの帝王・お金だけが総ての美貌の愛人・その帝王を騙そうとする若き野望人・そして主人公であるその渦に巻き込まれ狂っていく若者の四人がそれぞれを騙し出し抜き合い絡まっていきます。読んでいくとドキドキ感が倍々と湧き上がり、後半に向かえば向かう程ジェットコースターの様なスピード感で展開が変っていきます。さて誰が勝ち、誰が負けるのか?いや~面白かった。これはノワールではありません。馳さんの持ち味であるノワールを今回は封印して、軽快なコンゲーム風の小説となっています。しかしそこは馳氏。只の騙し合いだけでなく馳氏ならではの持ち味は織り込んであります。好きな作家さんですから必ず毎回読むんですが、正直どれも同じに感じてきたのは事実なので、今回の新たなる作風は大歓迎です。というかもしかしたら今までの作品の中で一番傑作かもしれません!超個人的意見ですがマジで面白かったです。バブルが弾けると同じ様に物語りも唐突に弾け終わります。この落下感も物凄かったです。今年度ベスト3入り決定!

 

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