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2008年10月24日 (金)

教育者は聖職者ではない(「告白」湊かなえ)

さて何故昨日急に金八先生の話をしたかというと、同時期に読んだ本と関連があったからです。その本は第29回小説推理新人賞を受賞してデビューした湊かなえさんの「告白」という本です。何作かの連作短編集なんですが、その一話目の「聖職者」という短編が受賞作なんですが、もともと一話完結だった話を、一冊分の連作短編に仕上げた感じです。その受賞の作品の初めにこんな事が書いてあります。「一人の出来ない子や、家庭の問題を大切な授業を裂いてまで話をする先生なんて存在は、大多数のちゃんとした生徒にとっては迷惑以外のなんでもない」と。これって正に金八に対する批判ですよね?広く言えばドラマの世界と現実の教育現場は違うという事実を先ずは述べています。そんな感じで物語りはスタートするのですが、その後の展開は衝撃的です。シングルマザーで教師を続けていた主人公が、ある日仕方なく子供を学校に連れて来た所プールで溺れて死なせてしまいます。警察も事故として処理するのですが、実は二人の子供による計画的な殺人だった事が分かります。その事実を知った主人公の教師の復讐を告白するというスタイルで物語が進みます。一話だけでも衝撃的なんですが、その事件に何らかの形で携わった人々が総て不幸になっていく姿を連鎖短編というスタイルで書き上げています。そして本当の意味の復讐がラストの章で行なわれます。これは凄い・・・。とても新人が書き上げた作品とは思えません!筆力・衝撃度・物語性総てとっても今年の何本かの指に入る作品だと思います。それにしても現実の教育者が読んだらどう思うのでしょうか?教育者が聖職者で無い事ぐらい分かっていますが、金八までとはいかなくてもそれなりではいて欲しいと願うのは私だけでしょうか?

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