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2008年9月22日 (月)

非常にTV的な作品を書く作家(「TVJ」五十嵐貴久)

2001年第二回ホラーサスペンス大賞でデビューした五十嵐貴久さんという作家が居ます。何度もこのブログでもとり上げている作家さんです。デビューがホラー系だったにも関わらず、二作目以降はホラーを全く書いておらず、しかも出す作品出す作品テイストが違うと言う非常に興味深い作家さんです。今回五十嵐氏の「TVJ」という作品を読みました。この作品は文庫発売こそ2008年ですが、実はデビュー作「リカ」よりも前の2000年に書かれ、某小説賞に応募して落選した作品だそうです。五十嵐氏の最近の活躍が後押しして2005年から加筆を加え連載小説となり目出度く商品化されたようです。さて肝心の内容ですが、これは私が指摘するまでもなく総ての人が気付くと思いますが、完全なる女性版ダイ・ハードです。細部は勿論違いますが、ダイ・ハードを元に書いたとしか思えない極似の内容です。舞台はお台場にあるツインタワーのTV局(完全にフジTV)。その生放送中に正体不明のグループに占拠されます。TVを活用した犯人達の交渉は今流行の劇場型犯罪の走りです。何人か人質か取られるんですが、30歳を目前にした女性経理社員が、人質の中に恋人が居るのを知り、一人でその敵に立ち向かうんです(現実的にはありえないですが)。その奮闘振りを描いたアクション巨編です。作者の幻のデビュー作というのが最大の売りですが、正直やはりデビュー前の作品というのは否めないです。決して面白くない事はないですが、細部があまりにも稚拙な気がします。それでもこの作品も非常にTV的な作品で、読みながら映像が部分・部分で浮かび上がりました。まー現在の活躍を考えれば、何を言われてもいいと思いますが。

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投稿: sirube | 2008年9月22日 (月) 11時26分

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